ホルモンの変調に起因する運動器の痛みを解明する多面的集学研究
Project/Area Number |
21H03061
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56020:Orthopedics-related
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
井上 真輔 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (80403905)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城 由起子 名古屋学院大学, リハビリテーション学部, 准教授 (30440663)
池本 竜則 愛知医科大学, 医学部, 講師 (40448387)
篠原 康一 愛知医科大学, 医学部, 教授 (50314993)
牛田 享宏 愛知医科大学, 医学部, 教授 (60304680)
西須 大徳 愛知医科大学, 医学部, 助教 (70624625)
若槻 明彦 愛知医科大学, 医学部, 教授 (90191717)
尾張 慶子 (大畠慶子) 愛知医科大学, 医学部, 助教 (90321736)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥16,900,000 (Direct Cost: ¥13,000,000、Indirect Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2022: ¥10,270,000 (Direct Cost: ¥7,900,000、Indirect Cost: ¥2,370,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 慢性疼痛 / 女性ホルモン / 更年期 / 性ホルモン / 疼痛閾値 / QST / 慢性痛 / 更年期障害 / 中枢神経感作 / インターネット調査 / ホルモン / 筋骨格痛 |
Outline of Research at the Start |
更年期女性では関節痛や筋腱付着部痛などの運動器疼痛の頻度が多くなり、性ホルモンとの関わりが疑われているが、未だそのエビデンスは乏しい。そこで本研究では臨床の「ホルモンバランス の異常」と「関節・筋・腱など運動器の痛み」に着目して、更年期における不可解な慢性痛の治療の端緒を探るべく、①一般市民を対象とした疫学研究、②婦人科のホルモン療法患者を対象とした神経生理学的研究、③痛みセンターと整形外科を受診する更年期女性の運動器疼痛患者を対象とした臨床介入研究、の3種類の研究の集学的研究を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では臨床の「ホルモンバランス の異常」と「関節・筋・腱など運動器の痛み」に着目して、更年期における不可解な慢性痛の治療の端緒を探るべく、一般市民を対象とした疫学研究と婦人科のホルモン療法患者を対象とした神経生理学的研究などの集学的研究を行っている。 研究ユニットはこれまでに、1. 名古屋学院大学リハビリ テーション学部に所属する女子学生20名を対象に、生理周期(月経期、卵胞期、排卵期、黄体期)でそれぞれ基礎体温と四肢近位筋での定量的感覚検査(quantitative sensory testing: QST)、血中の性ホルモン(エストロゲン他)を測定しを行い、ホルモンの変調に伴う中枢神経感作の状況を調査した。疼痛閾値を検査するQST は、高知大学の開発したQuantiPaiを用いた。現在、症例数を追加しており、研究結果をまとめて、性ホルモンが健常人の疼痛閾値にどのような影響を与えるか学会発表、論文化する予定である。 さらに、女性のホルモン変調、とくに更年期症状が慢性疼痛とどのような関わりを持つか、疫学的手法を用いた全国調査により調査する。これまでに、我が国で行われた慢性の痛みに関する疫学調査、女性更年期に関する疫学調査、ウィメンズヘルスや女性の就労問題に関する疫学調査など先行研究の文献を渉猟し、ホルモン関連疼痛に関する文献的エビデンスのレビュー作業を行った。その上でWeb会議を重ねて、痛み関連領域と女性医学領域の専門家が協力して課題を抽出してきた。 女性特有の課題(月経、妊娠、出産、産後復帰、育児、更年 期障害等)に関連する痛みの実態、ADLおよびQOLに与える悪影響などに加え、痛みによる就労における問題、そして社会損失などを明らかにするための質問項目の選出がほぼ完了した。令和5年7月にインターネット調査会社マクロミルへ調査依頼を行う段階にある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの経過は計画道理進行しており。研究は順調に推敲できている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は本研究により、I.一般市民における更年期障害と痛みの問題の全体像と実態を明らかにして、更年期関連疼痛の予防・啓蒙活動を行い、II. 婦人科の更年期障害患者とノーマルボランテイアで神経生理検査により痛みのメカニズム解析する。 I-1. 調査では婦人科と協同して、就労年代に対するインターネットを介した全国規模の疫学調査を立案した。インターネットによるアンケート調査は第三者機 関のMACROMILL, INC を通じて日本全国から幅広く回答を収集、有効回答数5000人を目標とする。調査はスクリーニングの予備調査(5問)と本調査(40問)を行 い、痛み科と婦人科のエキスパートが協議して質問項目を抽出する。特に、更年期のホルモンバランスの変調に起因する女性の身体兆候、例えば生理痛、生理の期間、出血量、回数などの変遷、乳房の張りやリビドーなどの心理面を含めて、女性の性周期やライフサイクルが筋骨格系の疼痛の発現タイミングとどのように 関連しているか調査する。加えて更年期関連疼痛の有訴率、痛みの詳細、増悪寛解因子、自律神経症状との相関、閉経など性ホルモン因子、ADL・就労障害などに ついて調査して、更年期世代における痛みについて国民的基礎データを収集する。 疼痛位置に関する研究では、 愛知医科大学産婦人科を受診した更年期症状を訴える患者を対象として、ホルモン補充療法による凸通閾値の変動をQST検査などを用いて測定する。本研究では。繰り返し刺激による時間的荷重で痛みに対する過敏性、脊髄後角における中枢性感作をQST機器を用いて評価する予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)