機能亢進型GNAS変異マウスを用いた線維性骨異形成症の病態解明と創薬展開
Project/Area Number |
21H03110
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 57020:Oral pathobiological science-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
豊澤 悟 大阪大学, 大学院歯学研究科, 教授 (30243249)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣瀬 勝俊 大阪大学, 大学院歯学研究科, 助教 (00824898)
鵜澤 成一 大阪大学, 大学院歯学研究科, 教授 (30345285)
阿部 真土 大阪大学, 大学院歯学研究科, 講師 (40448105)
廣瀬 由美子 (堀由美子) 独立行政法人国立病院機構大阪医療センター(臨床研究センター), その他部局等, 研究員 (60528785)
宇佐美 悠 大阪大学, 大学院歯学研究科, 講師 (80444579)
松井 崇浩 大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (50747037)
田熊 一敞 大阪大学, 大学院歯学研究科, 教授 (90289025)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,030,000 (Direct Cost: ¥13,100,000、Indirect Cost: ¥3,930,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2022: ¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
Fiscal Year 2021: ¥6,110,000 (Direct Cost: ¥4,700,000、Indirect Cost: ¥1,410,000)
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Keywords | 機能亢進型GNAS変異 / 線維性骨異形成症 / 骨髄間質細胞 / シグナル伝達異常 / 機能亢進型GNAS変異疾患 / 未分化間葉系幹細胞 / シングルセル解析 / 骨髄間質幹細胞 / 細胞内cAMP |
Outline of Research at the Start |
機能亢進型GNAS変異疾患では、GNAS遺伝子変異により細胞内のシグナル伝達に異常が起こって、様々な臓器に病変を発症する。骨に発症する線維性骨異形成症(FD)は、GNAS遺伝子変異が間葉系幹細胞系譜に起こる骨疾患である。主な治療は外科切除であるが、その適応外となる難治症例も含まれるため、内科的治療薬の開発が望まれる。本研究では、目的の間葉系幹細胞系譜にGNAS遺伝子変異を発現するFDモデルマウスを用いてシグナル伝達異常を解明し、その異常活性分子の阻害薬を創出する。FDと同じ発症機序のモデルマウスから得られた創薬シーズは、機能亢進型GNAS変異疾患の創薬開発に繋がる。
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Outline of Annual Research Achievements |
機能亢進型GNAS変異疾患では、GNAS遺伝子変異により細胞内のシグナル伝達に異常が起こって、様々な臓器に病変を発症する。骨に発症する線維性骨異形成症(FD)は、GNAS遺伝子変異が間葉系幹細胞に起こる骨疾患である。FDは骨髄内に発生するため、GNAS変異Floxマウスと、骨髄間質細胞特異的にCreを発現するLepR-Cre(阪大・長澤先生から供与), Prx1-Cre-ERT2, Runx2-Creの各々のマウスと交配させて、各々の骨髄間質細胞に変異GNASを発現させた変異マウスを作製して、FDの発生機序を解明するために解析を行った。 LepR-Cre; GNAS変異マウスでは、対照群と比べて骨髄内の骨増生は明らかではないが、海綿骨は大型骨芽細胞に取り囲まれ、細網線維により包まれていた。次に、LepR陽性細胞は、骨髄の主なCFU-Fの供給源であることから、骨髄間質細胞のCFU-Fアッセイと骨芽細胞分化誘導実験を行った。その結果、実験群マウスの骨髄間質細胞では対照群と比較してcolony forming活性と骨芽細胞分化の亢進が認められた。このin vitroの実験結果を反映する事を期待して、in vivoの骨髄除去実験を行ったところ、実験群マウスでは骨髄内の新生骨の増量が認められ、細網線維を含んだ線維成分を伴っており、FD病変に一部類似した組織像がみられた。 Runx2-Cre-ERT2; GNAS変異マウスでは、対照群と比較して骨髄内の骨増生が認められ、海綿骨は大型骨芽細胞に取り囲まれ、細網線維により包まれていた。 Prx1-Cre-ERT2; GNAS変異マウスでは、胎生14.5日齢の母体へのタモキシフェン投与により、生後1週齢で骨髄内の骨増生が観察され、生後1週齢の新生仔へのタモキシフェン投与により、生後4週齢で骨髄内の骨増生が観察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
LepR-Cre; GNAS変異マウス研究では、骨髄除去実験による骨新生で対照群との明確な変化が現れ、病変は線維性骨異形成症(FD)と一部類似した組織像を示したため、本年度は、本現象の発症機序の検討を細胞レベルで進めることができるため。 Runx2-Cre; GNAS変異マウス研究では、骨髄内に骨増生が認められたため、本現象の発症機序の検討をシングルセル解析により進めることができるため。 Prx1-Cre-ERT2; GNAS変異マウス研究では、胎生期のタモキシフェン(Tx)投与により、生後の新生仔の骨髄内に骨新生が観察され、Tx投与時期や期間を調整する手掛かりが得られたため。
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Strategy for Future Research Activity |
3種類の骨髄間質細胞に発現させたGNAS変異マウスモデルを用いて、骨組織における網羅的遺伝子発現の解析や、サイトカインやホルモン産生異常を検討し、病変細胞におけるシグナル伝達異常の解明をシングルセル解析を用いて行う予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)