Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
我々のグループは高齢化が急速に進む長崎県五島市の住民基本健康診査受診者に、「口腔健康状態は4大死因につながる生活習慣病へ影響するか?:五島コホート研究」(平成29-32年度基盤研究(B)研究代表者:齋藤俊行)を継続して実施してきた。今回これまでに構築したデータベースを基に、同地域における生活習慣が影響を与えると考えられる疾患の追跡研究を開始することとなり、口腔健康状態が生活習慣病、並びに認知機能に及ぼす影響について、徹底して追跡することが可能となった。本研究の目的はこれらの関連性を明らかにしていくことである。
本研究の目的は、生活習慣が影響すると考えられる疾患に関わる危険因子や遺伝子等を解析し、口腔健康状態が生活習慣病、並びに認知機能に及ぼす影響について、徹底して追跡することで、予防や診断、治療に役立てることである。前回の基盤研究(B)(17H04422)で作成したデータベースの構築をさらに進めるため、令和3年度の補助事業に引き続き令和4年度の補助事業においても571名を対象に①口腔の健康診査、②全身の健康診査、③血液生化学検査を行った。具体的に、①では、硬組織診査(う蝕、補綴の状況等)、歯周組織検査(歯周ポケット、アタッチメントロスの測定、BOP、Plaque Index等)、アンケート調査(口腔衛生習慣や口腔に関連した健康関連QOL測定尺度(GOHAI)測定)を行った。また、②では、採血、採尿、一般的な成人健診の検査、生活習慣に関するアンケート調査(喫煙、飲酒、運動、肥満、ストレス等)、握力測定、超音波法による骨密度測定、動脈硬化に関する検査、頸動脈超音波検査(内膜中膜複合体厚intima-media thickness ; IMTの測定)、頸動脈プラークの有無、狭窄の有無、血圧脈波検査装置による心臓足首血管指数(CAVI)および指尖脈波計による血管年齢の評価、指尖脈派の測定(ankle brachial pressure index ; ABI)を行った。そして、③では、HbAlc、AST、ALT、ALP、コリンエステラーゼ、高感度CRP、脂質(LDLコレステロール、HDLコレステロール、酸化LDLコレステロール、中性脂肪)、ホモシステイン等の測定を行ない、残余血清は-80℃のディープフリーザーに保管した。以上より、571名の健診結果を受診者のデータベースに追加し、健診結果は受診者にフィードバックした。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。