階層的アプローチによる膜輸送体の隠されている生理的基質の解明
Project/Area Number |
21H03365
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59040:Nutrition science and health science-related
|
Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
永森 收志 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (90467572)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
Wiriyasermkul Pattama 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (80825836)
笹部 潤平 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (10398612)
西山 賢一 岩手大学, 農学部, 教授 (80291334)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
Fiscal Year 2021: ¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
|
Keywords | トランスポーター / プロテオミクス / D-アミノ酸 / マルチオミクス / D-アミノ酸 |
Outline of Research at the Start |
450種類以上のSLCトランスポーターのうち30%がオーファン分子であり、特に生体内において希少な物質の輸送を担う分子の実体は、ほとんどが不明である。本研究は、網羅的膜プロテオミクスと多様な輸送機能解析系を組み合わせる独自の手法で、希少物質を輸送するトランスポーター分子群を同定し、輸送システムの全体像を分子から個体までの階層的手法で明らかにする。この新たな輸送システムの解明は、関連する疾患の治療・診断法開発を促進するだけではなく、トランスポーターの隠された輸送機能を明らかにする手法を提示するものであり、それにより微量で生理活性を持つ栄養素を輸送する新規トランスポーターの同定が可能になる。
|
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト体内で物質輸送を司る450種類以上のSLCトランスポーターのうち、30%がオーファン分子であり、輸送基質が報告されている分子の多くについても生理機能は未解明である。特に生体内において希少な物質の輸送を担う分子の実体のほとんどが不明である。主要栄養素であるアミノ酸は輸送体研究も進んでいるが、それらはL-アミノ酸トランスポーターである。一方、鏡像異性体のD-アミノ酸も重要な生理的役割を持つ。生体内のアミノ酸がL体であることはよく知られているが、微量ながらD-アミノ酸も生体内で存在しており、生体内で重要な役割を持つことが明らかになってきた。D-セリン(Ser)は、脳内Serのうち三分の一を占め、興奮性化学伝達を制御しているが、その輸送分子については不明な点が多い。本研究では、網羅的膜プロテオミクス、アミノ酸メタボロミクスにcell-free系からex vivo, in vivo系まで多様な輸送機能解析系を組み合わせる分子から個体までを解析する階層的手法で、希少物質を輸送するトランスポーター分子群を同定し、その輸送システムの全体像を明らかにすることを目指している。これまでに、腎臓刷子縁膜におけるD-Serトランスポーターを複数分子明らかにすることに成功した。本研究で明らかにされる新たな輸送システムの理解は、その輸送システムや基質が関連する疾患の治療・診断法開発を促進するだけではなく、トランスポーターの隠された輸送機能を明らかにする手法を提示するものである。さらに本研究で開発される手法により、微量で生理活性を持つ栄養素を輸送する新規トランスポーターの同定が可能になることが期待される。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・アミノ酸メタボロミクス: 正常マウスとIRIマウスの血液および尿中のL-アミノ酸およびD-アミノ酸の網羅的解析を行い、全アミノ酸の変動情報を経時的に獲得した。 ・無細胞系を用いたD-Ser輸送活性の定量的解析: 精製トランスポーターや、精製タンパク質分子を再構成したプロテオリポソームを用いて、候補分子として見いだしたSMCT1およびSMCT2のD-Ser輸送kineticsを解析し、D-Ser輸送機序やkineticsをcanonical基質と比較した。さらにスクリーニングで、対照分子やSMCTsと逆に毒性を抑制した候補分子について、その輸送活性を検討したところ、D-Ser排出をしている可能性が示唆された。 ・BBMVを用いたD-Ser再吸収トランスポーター解析: 正常マウスおよびIRIマウスBBMVを用いて、ASCT2およびSMCTsのD-Ser輸送寄与率を詳細に解析した。その結果、膜プロテオーム解析で見られた脚気を指示する結果が得られた。 ・他の臓器、組織のD-アミノ酸トランスポーター解析: 腎臓BBMV以外の臓器、組織の膜プロテオーム解析を進め、トランスポーター探索のための基盤情報を獲得した。
|
Strategy for Future Research Activity |
・アミノ酸メタボロームデータと膜プロテオームデータの解析: これまで取得した網羅的データを統合し、D-Ser輸送システムの特徴を明らかにする。 ・single cell RNA-seq解析: 公開されているIRIモデルマウスなどのscRNA-seqデータと本研究で得られた網羅的データを統合解析する。 ・D-アミノ酸輸送システムの網羅的解析: キラルアミノ酸メタボローム解析、膜プロテオーム解析、多階層輸送機能解析を用いて、腎臓刷子縁膜のみならず側底膜および細胞内小器官、さらに他の臓器、組織におけるD-アミノ酸輸送体の同定を進め、生体におけるD-アミノ酸輸送システムの解明を目指す。 本研究で得られた解析結果を統合し、腎刷子縁膜D-Ser輸送システムを明らかにし、論文としてまとめる。また、腎臓全体におけるD-Ser輸送システムの全体像を捉える。さらに、本研究で確立した研究手法をとりまとめ、他の微量生体物質の未知なるトランスポーターを解析するためのプラットフォームを提供する。
|
Report
(2 results)
Research Products
(20 results)
-
-
-
-
-
[Journal Article] Tmem174, a regulator of phosphate transporter prevents hyperphosphatemia.2022
Author(s)
Sasaki S, Shiozaki Y, Hanazaki A, Koike M, Tanifuji K, Uga M, Kawahara K, Kaneko I, Hasegawa T, Amizuka N, Miyamoto KI, Nagamori S, Kanai Y, Segawa H.
-
Journal Title
Scientific Reports
Volume: 12巻1号
Issue: 1
Pages: 6353-6353
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-