自然共生型過疎地景観の寝かせ方:マルチデータソースによる検証と評価システム開発
Project/Area Number |
21H03656
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 64040:Social-ecological systems-related
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
吉岡 明良 国立研究開発法人国立環境研究所, 福島地域協働研究拠点, 主任研究員 (80633479)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深澤 圭太 国立研究開発法人国立環境研究所, 生物多様性領域, 主任研究員 (90617101)
藤田 知弘 国立研究開発法人国立環境研究所, 気候変動適応センター, 研究員 (50725603)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥16,900,000 (Direct Cost: ¥13,000,000、Indirect Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
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Keywords | 廃村 / 避難指示区域 / 耕作放棄 / 里地里山 / 生物多様性 |
Outline of Research at the Start |
人口急減・少子高齢化、地域の過疎化に伴う無居住化・耕作放棄等の人間活動の縮小は生物多様性を脅かすとされているが、どの程度の空間規模、期間で影響が生じるのか、どこまで許容できるのか、に関しての知見は乏しい。本研究では全国規模の廃村調査に基づくデータと大規模な無居住化・耕作停止が発生した福島県におけるデータ等を統合することで、広域における耕作放棄が生物分布にもたらす影響を予測・定量化するとともに、それによる生物多様性・生態系サービスの損失を最小限に留めるための時空間的優先順位付けに資するシミュレーションツールを開発する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は国立環境研究所がこれまで取得してきた全国規模の廃村調査のデータ及び福島県の避難指示区域周辺の生物分布データについて統計解析ソフトR上等で統合的に統計解析ができるように整備を進めた。2015-2020年に福島県で衝突板トラップ及びマレーズトラップで得られたチョウ類と、2015-2016年に全国の廃村における目視調査で得られたチョウ類(セセリチョウ科等の現地での同定が困難な種と外来種は除く)の共通種は21種であり、そのうち個体数や出現頻度等の観点からキアゲハやベニシジミが主な解析対象種として挙げられた。加えて、耕作放棄時の景観に関する土地利用情報として、国土数値情報の土地利用図等を収集した。国土数値情報による土地利用図は1976年に整備されたものが最も古いが、調査対象となる廃村には60年代に放棄されたものもあるため、オランダ環境評価庁(PBL)が整備したより広範な期間を網羅した土地利用モデルであるHYDE(History database of the Global Environment)3.2等の収集も進めた。 また、廃村におけるデータのみを用いて先行して行ったチョウ類と土地放棄の関係に関する階層ベイズモデルによる統計解析では、解析対象となった43種のチョウのうち、キアゲハ等の13種が土地放棄によって負の影響を受けていた一方で正の影響を受けていた種は3種にとどまったこと、寒冷地を好む草原性のチョウが放棄によって負の影響を受けやすい可能性があること、「放棄の有無」が「放棄の期間」よりも説明力があること等が示唆された。この成果(Sugimoto et al. 2022)はProceedings of the Royal Society B: Biological Sciences誌に掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データの収集・整備は進んでおり、また、廃村データのチョウ類の統計解析において成果も出ていることから、順調に進捗していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、関連するデータのさらなる収集整備とともに、解析が先行しているチョウ類を対象に福島県の避難指示区域で取得されたデータと全国廃村で取得されたデータの統合的な統計解析を進め、より広範な範囲で耕作停止が起きた場合も含めて耕作放棄・停止の期間の影響や、耕作放棄前の景観の影響等を検討することで頑健な知見を得ることをめざしたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)
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[Presentation] 自動撮影による赤トンボ類相対密度調査~成虫及び羽化殻のトランセクト調査との比較2022
Author(s)
吉岡明良,三田村敏正,松木伸浩,清水明,大内博文,小熊宏之,JO Jaeick,深澤圭太,熊田那央,神宮翔真,田渕研
Organizer
第69回日本生態学会大会
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