都市廃棄物発電の高効率化を図るダイレクト廃棄物燃料電池の開発
Project/Area Number |
21H03661
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 64050:Sound material-cycle social systems-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
日比野 高士 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (10238321)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥16,900,000 (Direct Cost: ¥13,000,000、Indirect Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,330,000 (Direct Cost: ¥4,100,000、Indirect Cost: ¥1,230,000)
Fiscal Year 2021: ¥6,110,000 (Direct Cost: ¥4,700,000、Indirect Cost: ¥1,410,000)
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Keywords | 都市ゴミ / 燃料電池 / 発電 / エネルギー回収 / 再資源化 / エネルギー / 触媒 / 脱炭素 |
Outline of Research at the Start |
都市固形廃棄物(MSW)は現在、再使用・リサイクル、生物学的処理、熱処理および埋立によって管理されている。本研究では、MSWを燃料に使用した高効率なwaste-to-energy発電を目指して、新たにダイレクトMSW燃料電池を提案する。原理的には、MSWが電解質からの酸化物イオンによって酸化と改質反応を繰り返し、持続的且つ効率的に発電が継続され、燃料が処理される。これを実現するためには、固体燃料に対して触媒活性、電極構造、イオン伝導が協奏的に作用する必要がある。このような技術が確立すれば、従来法よりも高い発電効率が実現され、廃棄物、エネルギーさらには温暖化問題の解決に貢献し、持続可能な循環型社会の実現に寄与できる。
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Outline of Annual Research Achievements |
都市固形廃棄物の資源化に関する最近の動向は、高効率かつ低コストのエネルギー資源として廃棄物を利用することである。本研究課題では、廃棄物を燃料として直接使用する、固体酸化物形燃料電池(SOFC)を開発し、従来技術以上の発電効率の達成を目的とする。
昨年度は、上記目的を達成するためにSOFCを構成し、800°Cの温度でバイオマス、樹脂、プラスチック、および食品廃棄物のモデル燃料を使用して、発電特性評価とエネルギー媒体開発を行った。その結果、エネルギー媒体が無いと発電特性が低くまた持続的な放電が困難であったが、アノードに酸化鉄(Fe2O3)を添加することで、これらの課題を克服できることが見出された。これは燃料の熱分解・ガス化によって生成した水素と一酸化炭素がFe2O3をFeOに還元し、これが燃料電池反応の新たな燃料として機能することに起因した。
今年度は、この技術を応用展開・改良する目的で、バイオマス廃棄物である雑草に着目した。雑草は大学周辺に生息するススキ、セイタカアワダチソウ、葛を取り上げた。これらの燃料は昨年度まで使用した純物質と異なり、セルロース、ヘミセルロース、リグニンから構成され、さらにはケイ素やミネラル成分を含んでいた。そのため、エネルギー媒体としてFe2O3のみでは性能が不十分であったので、各種第二成分を添加して性能試験を行った。結果として、銀(Ag)とFe2O3混合物がエネルギー媒体として最高の性能を示すことが見出され、セイタカアワダチソウ燃料で出力密度0.41 W cm-2、葛燃料でエネルギー密度0.42 Wh g-1を得るまでに至った。加えて、発電後の雑草は有機物質が全て使用され、灰残渣のみになっていることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
昨年度までは市販の純物質試薬をモデル燃料として使用したが、今年度は実際の固形廃棄物である雑草を取り上げ、純物質燃料並みの発電特性を得ることができた。また、雑草の有機成分全てを発電に使用できることが分かったので、高燃料利用率延いては高発電効率も大いに期待される。これらの結果は当初計画していた目標を上回っており、次年度以降の応用研究に大きな弾みをつける成果である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は都市固形廃棄物のうち、プラスチックスに特化したエネルギー回収の応用を実施する。廃棄プラスチックスは、一般的にはマテリアル・サーマル・ケミカルリサイクルで処理されているが、近年では高付加価値ケミカルズへの変換を目指したケミカルリサイクリングが注目されている。従来法では、プラスチックスを600℃前後で熱分解し、その後1300℃前後でガス化することによって、水素と一酸化炭素を合成していた。これらシンガスは発電用燃料もしくはケミカル合成用原料として使用されるが、一連のプロセス効率が低く、またコストも高いといった課題を残している。そのため、最先端技術として光触媒、マイクロ波、電気化学によるアプローチが展開されているが、従来法を凌駕するまでの性能には至っていない。
本研究では、固体酸化物燃料電池(SOFC)の燃料としてプラスチックスをダイレクトに使用することによって、一段のプロセスで高効率に発電するとともに、プラスチックスを二酸化炭素と水分に最終処理することを目的とする。昨年度までに得られた技術を活用し、最初に酸化鉄粉体をエネルギー媒体として用い、そのアノード特性、燃料改質、残渣量等を定量化する。次に酸化鉄の化学・構造修飾及び作動条件の最適化を通して、発電特性のさらなる改善を検討する。最後に、昨年度に考案した燃料供給法(自由落下法)によって、連続モードで燃料電池を作動させ、その耐久性評価を実施する。ここで使用する予定のプラスチックスは、製品流通量が最も多い中の三つ、ポリエチレン、ポリスチレン、ナイロン66である。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)