生ごみ自然乳酸発酵制御による効率的なメタン発酵原料収集手法の確立
Project/Area Number |
21H03663
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 64050:Sound material-cycle social systems-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大土井 克明 京都大学, 農学研究科, 助教 (90372557)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 謙二 九州大学, 農学研究院, 特任教授 (50205704)
田代 幸寛 九州大学, 農学研究院, 准教授 (90448481)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,810,000 (Direct Cost: ¥13,700,000、Indirect Cost: ¥4,110,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2021: ¥10,790,000 (Direct Cost: ¥8,300,000、Indirect Cost: ¥2,490,000)
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Keywords | 自然乳酸発酵 / メタン発酵 / 生ごみ回収 / 資源循環 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、生ごみを開放乳酸発酵させることで数日間衛生的に保管し、乳酸発酵生ごみを安定的にメタン発酵に利用するための技術開発を目的としている。具体的には、 1)生ごみの分別収集に拠点回収の手法を取入れ、中継拠点で受け入れ生ごみの破砕・可溶化・開放乳酸発酵による安定化までを行って病原微生物の増殖や臭気発生を抑制しつつ運搬しやすい形状にし、運搬回数を削減させる。 2)これら可溶化・乳酸発酵処理を行った生ごみを中間原料として実際にメタン発酵に及ぼす影響を検証し最適化するための研究をおこなう。さらに、実際のメタン発酵処理施設 (自治体施設)で、中継拠点を設置して貯留、運搬、投入までの実証を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
自然乳酸発酵処理を行ったカット野菜工場残渣のメタン発酵,および実生ごみの中温乳酸発酵とその試料からの乳酸生産菌の分離・同定を行った. 本研究開始前の予備実験で確立していた,カット野菜工場残渣への自然乳酸発酵処理によりメタン発酵試験の基質を生産し,バッチ試験および連続試験を行った.バッチ試験では発酵槽として500 mLのメジューム瓶を使用し,連続試験では塩化ビニル製の4.5 L発酵槽を使用した.バッチ試験では未処理基質区,乳酸処理基質区,種汚泥区を設定し,各基質区のガス発生量から種汚泥区のガス発生量を減じたものを基質由来のガス発生量とした.ガス発生量測定用に各試験区で3反復で行い,pH測定用に追加で各試験区に1つ発酵槽を用意した.ガス発生量は試験開始後24時間で,未処理基質の方が多かったがCO2の割合が高いことが分かった.pH測定用の発酵槽は測定時に蓋を開放し内容物をスポイトで取り出し,pH測定後に発酵槽に戻すという処理を行うため,当初はガス量を測定していなかったが,各試験区でガス量測定用の発酵槽より発生ガス量が多いことが判明した. 連続試験では,塩化ビニル製の発酵槽を製作し,中温未処理基質区,中温乳酸処理基質区,高温未処理基質区,高温乳酸処理基質区でそれぞれ2反復で行ったが,ガス発生量が安定しなかった.発酵槽蓋からのガス漏れが疑われるため,蓋のみステンレス製のものに変更し,次年度に試験を行う. 実生ごみの中温乳酸処理では種菌を接種しない自然乳酸発酵,および堆肥由来の種菌,4種のぬか床由来の種菌を接種したものを比較した.自然乳酸発酵では試験開始後48時間での乳酸濃度が種菌を接種したものより低いが,最終的には同程度の濃度となった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
メタン発酵のバッチ試験において,当初想定していなかった現象が観察された.具体的にはpH測定用の発酵槽がいずれの試験区においてもガス量測定用の発酵槽よりガス発生量が多いことが判明した.pH測定用の発酵槽は測定時に蓋を開放するため,一時的に空気が混入する可能性がある.そこでpH測定用の発酵槽とpH測定なしで蓋を開放する発酵槽を設定し,両者を比較したが,pH測定用の発酵槽のガス発生量が多かった.この現象については引き続き2022年度に試験を行い,メカニズムを解明する必要がある. メタン発酵の連続試験は発酵槽の設計に時間がかかり,また納入業者の製作ミスなどもあり納品が大幅に遅れた.納入された発酵槽で試験を開始したが,ガス発生量が安定しなかったため,2022年度に向け蓋の材質を変更した. 乳酸発酵処理試験については概ね計画通りに進行している.
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Strategy for Future Research Activity |
メタン発酵試験においては,バッチ試験でのpH測定用発酵槽でのガス発生量が多くなる現象を解明する.これまでのところ蓋を開放することで若干の酸素が発酵槽内に混入することによる効果ではないかと仮説を立てたが,蓋を開けるだけでは同等のガス発生量とはならなかった.今後は内容物の一部を吸い上げ,pH測定には供せず発酵槽に戻すことで同じ効果が得られるか試験を行う. 連続試験では,ガス漏れ対策を行った発酵槽により試験を行う. 乳酸処理試験については自然乳酸処理でも,種菌を接種したものと同等の乳酸濃度になることが判明したが,立ち上がりがやや劣るところがみられたので,実用化に向けて立ち上げ時のみ接種することを検討する.また,現在はバッチ試験のみを行っているが,実用化を視野にセミバッチを検討する.1週間での回収を想定し,発酵槽の約1/7を乳酸発酵済みの生ごみが入っている状態を初期状態とし,月曜日から土曜日まで発酵槽の1/7量の生ごみを投入し,翌週の月曜日に発酵槽内の6/7を排出する.これにより安定的に乳酸発酵が継続するための運転条件を決定する.
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)