Development of therapeutically active nanomaterials: lipoprotein structure/function-based therapeutic strategies to treat intractable ocular diseases
Project/Area Number |
21H03821
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 90120:Biomaterials-related
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
村上 達也 富山県立大学, 工学部, 教授 (90410737)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小倉 正恒 順天堂大学, 医療科学部, 教授 (30532486)
須田 謙史 京都大学, 医学研究科, 助教 (70779157)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,550,000 (Direct Cost: ¥13,500,000、Indirect Cost: ¥4,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2021: ¥8,190,000 (Direct Cost: ¥6,300,000、Indirect Cost: ¥1,890,000)
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Keywords | 点眼剤 / 注射剤 / 脂質ナノ粒子 / 高密度リポタンパク質 / 両親媒性ペプチド / ゼブラフィッシュ / 光線力学療法 / リポタンパク質 / 後眼部疾患 / 点眼 |
Outline of Research at the Start |
加齢黄斑変性(age-related macular degeneration,AMD)は、失明に至る眼難治疾患である。応募者は、AMDの病態メカニズムが動脈硬化のそれと類似すること、リポタンパク質 (high-density lipoprotein,HDL)が抗動脈硬化作用を示すこと、HDLが疎水性薬物を結合できることに着目して、眼科医と共同でAMD点眼治療用ドラッグキャリアの開発を進めている。本研究では、工業生産性を考慮した新たなHDL様粒子を作製し、その中から天然のHDLと同等かそれ以上のHDL生物活性を示す粒子を見出すことを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
昨年度、高密度リポタンパク質(HDL)に含まれる脂質結合タンパク質apoA-Iの10個の両親媒性αヘリックスの中から、コール酸ナトリウム法によって、リン脂質と反応してHDL様粒子を形成するαヘリックス領域のペプチド(ペプチドX)を見出した。今年度、Xペプチドが形成するHDL様粒子の機能解析を行うために、Xペプチドの大量合成を行い、40mg程度を得た(純度>95%)。既報で用いられたHDL様粒子作製法(リポソーム法)において、ポジコンとして用いたC末端ペプチド(ペプチド10)では形成が見られ、ペプチドXはHDL様粒子では見られないことを確認した。 ゼブラフィッシュ幼魚を用いる血管内皮接着性in vivo評価システムを開発することに成功した。蛍光脂質を含む3種類のHDL改変体(多様な細胞親和性を示す)およびリポソーム、ポリエチレングリコール修飾リポソームをゼブラフィッシュ幼魚のキュビエ管(静脈に相当)に注射し、共焦点蛍光顕微鏡および実体蛍光顕微鏡の両者でin vivo蛍光イメージングを行った。前者では主に血液由来蛍光を検出し、後者では血液と血管両方からの蛍光を検出した。これらのデータの差は、血管内皮に接着した成分からの蛍光に相当する。こうして得られた5サンプルのデータは、同蛍光ラベルサンプルをマウス尾静脈内投与後に採取された大動脈血管内皮の表面からの蛍光データと良く相関した(R2>0.9)。すなわち静脈内投与されたHDL改変体およびリポソームのマウス血管内皮接着性は、ゼブラフィッシュを用いて推測できることが明らかになった。 さらにゼブラフィッシュ幼魚における上記5サンプルの血中滞留性は、マウスにおけるそれと良く相関することもわかった(R2>0.9)。従って血中滞留性評価において、ゼブラフィッシュ幼魚はマウスを代替できることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記のapoA-Iの部分ペプチド(ペプチドX)に関しては、ラボ内でペプチド合成・精製実験系の本格的な立ち上げが必要だったため、想定以上の時間がかかり、予定していた機能評価実験を進めることができなかった。一方で、ペプチド合成・精製に関して多様なノウハウを蓄積することができ、今後のペプチド研究を円滑に進めるための基盤を構築できたと考えている。 ゼブラフィッシュ幼魚を用いる体内動態実験に関しては、共焦点蛍光顕微鏡と実体蛍光顕微鏡から得られるデータを組み合わせ、さらにマウスデータと比較することで、当初予期していなかった新たなin vivo評価系を立ち上げることに成功した。これはバーゼル大学薬学部Huwyler教授との共同研究の中で見出されたものであり、近日中に論文投稿を予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度実施できなかったペプチドXから作製されるHDL様粒子の機能評価を進める。具体的には、HDL生物活性(培養血管内皮細胞およびマクロファージにおける抗炎症活性)と血中滞留性を評価する。後者については、昨年度の研究成果を考慮して、ゼブラフィッシュのみで実験を行う。 評価したサンプルの中で最も高い血管内皮接着性を示したHDL改変体のHDL生物活性を評価する。具体的には、培養マクロファージからのコレステロール排出活性、培養血管内皮細胞およびマクロファージに対する抗炎症活性を評価する。 apoA-I由来ペプチドと多様な機能性ペプチドを用いてHDL様粒子作製を試みる。apoA-Iといくつかの機能性ペプチドを用いて作製されるHDL改変体(engineered lipoprotein 2, eLP2)は、点眼投与後、加齢黄斑変性モデルマウスに対して治療効果を示すことを明らかにしている(論文投稿中)。そこでペプチドを用いて、eLP2と同等のあるいは以上の治療効果を示す改変体(eLPX)を作製する。
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Report
(2 results)
Research Products
(15 results)