Project/Area Number |
21H03864
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
1120:Literature, linguistics, and related fields
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
Sako Takayoshi 京都教育大学, 附属高等学校, 高等学校教諭(英語科)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥370,000 (Direct Cost: ¥370,000)
Fiscal Year 2021: ¥370,000 (Direct Cost: ¥370,000)
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Keywords | クリティカル・シンキング / 協働学習 / 異文化間能力 / コロナ禍 |
Outline of Research at the Start |
本研究での目的は,生徒の批判的思考critical thinking(CT)及び態度の伸長が,異なる考え方を持つ他者との接触の場面におけるアイデンティティの変容と複層化に影響を与えるとの仮説のもと,ICTを積極的に用いて,コロナ禍における,身体的接触を極力減らした新しい形でのCT育成のための新しい協働学習モデルを構築し,実践を行う。効果測定は,研究開始前と終了後の2回実施し,統制群との有意差を検証し,また生徒自身のリフレクションや事後のインタビューを通じて,質的変容も分析する。
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Outline of Final Research Achievements |
外国語学習による生徒のアイデンティティ意識の複層化に寄与するために,コロナ禍の時代におけるCTの育成を促進する「新しい協働学習」の指導モデルを構築する,という研究目標に対し,COVID防止のガイドラインを守りつつ、より他者性を生徒が感じられるような協働作業ができるような指導上の工夫を行った。様々な協働学習の場面で,他者の意見を知ることができ,交流が深まるという効果を,多くの生徒は肯定的に感じ,授業が改善されたと評価した(生徒全体の約70%が「良くなった・とても良くなった」と回答)。学び合う仲間がそばにいる安心感と,英語力や批判的思考に挑戦するディベート活動に価値を見出したということがわかった。
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Academic Significance and Societal Importance of the Research Achievements |
コロナ禍での教育現場におけるさまざまな制約の中で,いわゆる通常の意味における「異文化体験」は大幅に制限されたが,そもそも教室現場は自分とは異なる考え方や価値観,社会的背景を持った「異文化の存在」である他の生徒(や教員)たちとどのような関係を切り結んでゆくかを学ぶ場であり,そうした意味での異文化接触をどのように批判的思考及び態度の伸長に繋げてゆくかが課題であると認識した。積極的に関与してくるわけではないが,「ただ他者が身近にいる」と感じられることが,学び(特に批判的思考力)にどのような積極的な意味があるかを,本研究では一定程度明らかにすることができた点で,社会定義を果たせたと考える。
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