Project/Area Number |
21H04159
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
3120:Biology at molecular to cellular levels, biology at cellular to organismal levels, biology at organismal to population levels and anthropology, neuroscience and related fields
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
Sato Aya 九州大学, 基幹教育院, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥470,000 (Direct Cost: ¥470,000)
Fiscal Year 2021: ¥470,000 (Direct Cost: ¥470,000)
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Keywords | ヒドラ / 睡眠 / SIK3 / 刺胞動物 |
Outline of Research at the Start |
睡眠はヒトやマウスなど多くの高等動物で見られる現象である。ショウジョウバエから哺乳類まで広く保存された睡眠・覚醒制御遺伝子は存在するが、それら遺伝子の睡眠に対する進化起源は未だに明らかになっていない。そこで、本申請では、ヒドラの睡眠をモデルとして、睡眠・覚醒制御遺伝子(SIK3)の睡眠への機能面での保存性を確認し、SIK3 が睡眠発生の初期段階から存在している睡眠遺伝子の一つであることを実験的に証明する。
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Outline of Final Research Achievements |
本研究では、脳すら獲得していない刺胞動物のヒドラをモデルとし、線虫・ショウジョウバエ・マウスで保存されている睡眠制御因子のSIK3が最古の睡眠制御因子の一つである可能性を検証した。ヒト培養細胞やマウスなどで実績のある既存のSIK3の阻害剤で処理したヒドラの睡眠を測定した結果、ヒドラの睡眠量が減少することが明らかとなった。これは、他の動物での報告と同じように、SIK3がヒドラの睡眠を促進するように機能していることを示唆している。つまり、SIK3は刺胞動物のヒドラの段階ですでにその分子構造や機能が確立されていることを意味しており、SIK3が睡眠制御因子の一つである可能性は十分考えられる。
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Academic Significance and Societal Importance of the Research Achievements |
睡眠はヒトのQOLに直結することから、その分子基盤などの詳細を解明することは重要である。これまで数多くの動物で睡眠現象が見出されているものの、その進化的な起源は明らかとされていない。もし進化的な起源が明らかとなれば、睡眠制御における最も中心的な要素を見極めることにつながり、そこから睡眠が紐解ける可能性がある。本研究成果はSIK3を中心とした睡眠制御機序が睡眠制御の根幹に相当する可能性を示唆しており、ヒトの睡眠を理解する上で重要な一歩となった。
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