Project/Area Number |
21H04162
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
3120:Biology at molecular to cellular levels, biology at cellular to organismal levels, biology at organismal to population levels and anthropology, neuroscience and related fields
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
Shirae Maki 名古屋大学, 全学技術センター(理学), 大学技術職員
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥470,000 (Direct Cost: ¥470,000)
Fiscal Year 2021: ¥470,000 (Direct Cost: ¥470,000)
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Keywords | 藻類 / 再生 / ライブイメージング / 多核体 / 切断応答 / 細胞伸長 / 細胞分裂 |
Outline of Research at the Start |
大型海産藻類(海藻)の再生能力については古くから多くの記載がなされているが、そのメカニズムについては不明な点が多い。海藻の多くは多核細胞からなる。多核細胞は、ヒトでは筋肉や肝臓に見られ、組織再生に貢献していることが知られる。従って、海藻細胞の多核性もまた藻体の再生能力に影響を与えている可能性がある。しかし、海藻の再生について分子細胞生物学的な知見はほとんど報告されていない。そこで本研究では細胞イメージングからのアプローチを行い、色素体、細胞骨格、核の動態やエピジェネティックな変化について解析することで海藻再生メカニズム解明への糸口を探る。
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Outline of Final Research Achievements |
海藻の再生現象を分子生物学的に解析する第一歩として、名古屋大学菅島臨海実験所において大型海藻を採取した。採取した海藻のうち66種の切断実験を行ったところ、主に緑藻・紅藻において、切断後1日から3週間以内に切断応答が見られた。この応答は、主に芽体形成・仮根形成・胞子形成に分けられた。次に切断応答における細胞の動態を明らかにするため、核や細胞壁を染色しライブイメージングを試みた。その結果、紅藻緑藻各2種の切断応答を観察することに成功した。いづれの場合も切断端の細胞が伸長する現象は共通していたが、核や細胞の分裂のパターンは種により異なっていた。以上の研究成果を論文にまとめ、国際雑誌に発表した。
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Academic Significance and Societal Importance of the Research Achievements |
大型海藻は波や漂流物、魚類などから物理的に障害を受ける機会が多く、非常に高い再生能力を持つにもかかわらず、そのメカニズムについてはほとんど明らかになっていない。興味深いことに海藻は多くが多核細胞からなる。多核細胞は、ヒトでは筋肉や肝臓に見られ、組織再生に貢献していることが知られる。従って、海藻細胞の多核性もまた藻体の再生能力に影響を与えている可能性がある。このように海藻において再生の分子メカニズムを紐解くことは、多細胞生物における再生現象を理解する上で重要な鍵となりうる。さらに近年日本近海では温暖化により海藻が減少傾向にあるが、本研究は海藻を効率よく再生させる技術の開発にも役立つ可能性がある。
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