Project/Area Number |
21H04252
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
3190:Biomedical structure and function, pathology, infection/immunology, and related fields
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
Nakamura Ayumi 兵庫医科大学, 医学部, 実験補助員
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥410,000 (Direct Cost: ¥410,000)
Fiscal Year 2021: ¥410,000 (Direct Cost: ¥410,000)
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Keywords | ウイルスベクター / 鎮痛 / GABA / 疼痛 / 神経活動の制御 / 行動解析 |
Outline of Research at the Start |
所属研究室で用いているin vivo パッチクランプ法から得られる活動電位やシナプス応答など神経応答との関連も含めて、特定の脳領域に人工的なGタンパク質を発現する動物を作製し、人為的に活動操作した動物の行動解析と神経活動の定量解析を行い、その相関を調べる。また、行動解析を終えた動物の脳切片を用いて、抗c-Fos抗体・2次抗体で染色・観察し、蛍光標識された神経細胞の数とc-Fos陽性の細胞数、その分布を調べる。使用したウイルスや投与量等の条件を変えて有効な鎮痛や痛覚過敏が得られる条件を検討する。
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Outline of Final Research Achievements |
疼痛は、身体面だけでなく心理や社会面にも影響を及ぼし、患者のQOLを損なう。新規治療法の開発を行う上で有益となり得る疼痛の神経機構の詳細を解明するために、痛みに関与する神経の活動と逃避行動との関連を検討した。脊髄抑制性介在神経や情動に関連する前帯状回錐体神経に着目し、その活動を人為的に操作する動物を作出した。Creマウスを用いてウイルスの力価や投与量を調整し、抑制性介在ニューロンを光で活性化すると脊髄における痛みの神経応答が有効に抑制された。また、前帯状回の錐体ニューロンにGタンパク質共役型受容体(hM4Di)を発現させ、その活動を抑制すると鎮痛効果が有意に現れるなど成果が得られた。
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Academic Significance and Societal Importance of the Research Achievements |
本研究により、脊髄における抑制性介在ニューロンや前帯状回における錐体ニューロンの活動を光遺伝学的あるいは薬理遺伝学的に活動操作すると、有効な鎮痛効果が得られることが明らかになった。従って、今後の新規治療薬や治療法を開発する上で、これらのニューロン群は鎮痛のターゲットとなり得る。また、本研究に用いた人為的操作による行動評価法は、新規候補化合物等の鎮痛効果の評価に有用であると考えられる。得られた成果は神経活動と個体の行動変化を説明する上での架け橋となり得、今後の痛覚伝達や鎮痛の機構解明における基礎医学の発展にも寄与できる。
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