Project/Area Number |
21H04262
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
3200:Oncology, Brain sciences and related fields
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
Hayashi Yoshihiro 高知大学, 設備サポート戦略室, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥470,000 (Direct Cost: ¥470,000)
Fiscal Year 2021: ¥470,000 (Direct Cost: ¥470,000)
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Keywords | 肝細胞癌 / ファシン / 遊走・浸潤 / 分子標的薬 / 肝細胞がん |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、ヒト肝細胞癌の浸潤や転移を抑制する薬剤を開発するための基礎研究を行うことである。ヒト肝細胞癌は、外科的に切除することができたとしても、再発や肝内転移が多い癌腫であることが知られている。現在、承認されている肝細胞癌の治療薬は、腫瘍に栄養を補給する血管内皮細胞に発現しているレセプターを標的としており、腫瘍血管の新生を阻害する薬剤である。また、肝細胞癌を標的とした治療薬はないことから、最終目標として、細胞遊走や浸潤に関与するアクチンを束ねる作用のあるファシンが、治療薬の標的になる可能性を探り、肝癌細胞の新規薬剤開発の一助としたい。
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Outline of Final Research Achievements |
申請者は、ヒト肝がん細胞においてアクチンを束ねるタンパクであるファシンの発現を遺伝子操作により抑制し、細胞遊走・転移能に与える影響について検討した。 その結果、ヒト肝がん細胞では、ファシンが細胞遊走・浸潤に重要であり、予後を左右するタンパクであることを証明した。現在承認されている肝がんの分子標的薬は、腫瘍細胞に直接作用する薬剤ではないが、ファシンは、肝がん細胞の転移を直接抑制するターゲットタンパクになる可能性を見出した。
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Academic Significance and Societal Importance of the Research Achievements |
ヒト肝がんに対するソラフェニブらの分子標的薬は、がんが生き延びるための血管新生(肝がん細胞へ栄養素や酸素を運ぶ)を阻害する薬剤である。 今回、申請者が研究したファシンタンパクは、アクチンを束ねる働きがあり、細胞遊走・浸潤そして転移に悪影響を与えている。このファシンタンパクを応用した新規薬剤開発には、今後長い開発期間が必要であるが、新たな分子標的薬のターゲットタンパクを見出した本基礎研究は学術的・社会的に意義が大きい。
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