Project/Area Number |
21H04362
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 3:History, archaeology, museology, and related fields
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
高宮 広土 鹿児島大学, 総合科学域共同学系, 教授 (40258752)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 直子 鹿児島大学, 総合科学域共同学系, 教授 (00227919)
樋泉 岳二 明治大学, 研究・知財戦略機構(駿河台), 研究推進員 (20237035)
寒川 朋枝 鹿児島大学, 埋蔵文化財調査センター, 特任助教 (30526942)
新里 貴之 沖縄国際大学, 総合文化学部, 准教授 (40325759)
庄田 慎矢 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 企画調整部, 室長 (50566940)
竹中 正巳 鹿児島女子短期大学, その他部局等, 教授 (70264439)
黒住 耐二 千葉県立中央博物館, その他部局等, 研究員(移行) (80250140)
渡邊 剛 北海道大学, 理学研究院, 講師 (80396283)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥42,120,000 (Direct Cost: ¥32,400,000、Indirect Cost: ¥9,720,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,760,000 (Direct Cost: ¥5,200,000、Indirect Cost: ¥1,560,000)
Fiscal Year 2022: ¥14,430,000 (Direct Cost: ¥11,100,000、Indirect Cost: ¥3,330,000)
Fiscal Year 2021: ¥20,930,000 (Direct Cost: ¥16,100,000、Indirect Cost: ¥4,830,000)
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Keywords | 小浜貝塚 / 弥生後半から古墳時代 / 生業 / 古環境 / 社会と文化 / ボカシの文化 / 縄文時代前中期 / 弥生時代後期;古墳時代 / 土器化学分析 / 動物遺体分析 / 植物遺体分析 / 土器圧痕分析 / 弥生後半〜古墳時代 / 交易・交流 / 植物遺体 / 動物遺体 / 貝類遺体 / オオツタノハ / 種子島 / 弥生~古墳 / 食性・交流・古環境 |
Outline of Research at the Start |
弥生時代前期までに水稲稲作は鹿児島本土に伝播している。種子島には弥生時代中期の文化は達しているが、同時代後期から古墳時代までは広田遺跡に代表されるような特異な文化が展開していた。日本書紀により、種子島では7世紀には水稲稲作が行われていたことはわかっている。弥生時代中期に水稲稲作は種子島で受け入れられたのか、その後の種子島における生業はどのようなものであったのか。7世紀の水稲稲作は前時代のものが元となっているのか、あるいはその頃九州からもたらせたのか。 このような問いに答えを見出そうというのが本研究の概要である。本研究では、考古学的方法に加えて、理化学的な方法をも用いて、これらの問いに答える。
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Outline of Annual Research Achievements |
著名な考古学者藤本強(1988)は日本列島の戦士文化には「中の文化(本州・四国・九州)、「北の文化(北海道)および「南の文化(奄美・沖縄諸島)が存在し、「北の文化」と「中の文化」および「中の文化」と「南の文化」の間の地域の戦士文化が十分に理解されていないことから「ボカシの文化」と仮称した。本研究は後者に焦点を当てたものである。藤本の提唱した頃と比較するとこの地域の先史時代はかなり解明されているが、弥生時代後半から古墳時代にかけては十分に理解されていない。そこで、この時期の遺跡である西之表市に所在する小浜貝塚(弥生後期;古墳時代相当期)を本研究の対象とした。小浜貝塚は同市国上の砂丘城に所在し、1996年および2012年に西之表市教育委員会によって発掘調査がなされた。その結果、縄文時代前期や古墳時代の遺物が検出され、残存状態の良い複数時期にまたがる貝塚であると推定された。 本研究では「ボカシの文化」の解明のために考古学、動物考古学、植物考古学、古人骨学、土器圧痕分析および土器の残存脂質分析および土器の放射化分析など多角的なアプローチで調査を実施した。発掘調査は2022年4月28日ー5月8日、8月6ー16日の2回おこなった。2022年度の2回の調査では砂丘南西部(2地点)および南端(3地点)を対象としたが、前者で曽畑式土器1点のみ回収され、後者では弥生土器や上能野土器および獣魚骨や人骨片が確認された。 本研究は2021年度が初年度であったが、新型コロナウィルス感染症などの影響により計画が1年ずれてしまい、2022年度および2023年度に発掘調査を行い、2024年度に出土遺物などの検証や、化学分析などを終了し、発掘調査報告書を刊行する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究は2021年度が初年度であったが、新型コロナウィルス感染症により、初年度は発掘調査を実施することができなかった。そのため、2022年度は1年ズレての発掘調査の開始となった。2022年度は2022年4月28日-5月8日、8月6-16日の2回発掘調査をおこなった。発掘対象となった小浜貝塚は種子島西之表市国上に所在する砂丘貝塚である。2022年度は砂丘南西部で2地点および南端で3地点発掘調査を実施した。砂丘南西部では曽畑式土器が1点回収されたのみであった。また、砂丘南端では弥生土器(鳥ノ峯式土器)、上能野式土器、獣魚骨および人骨片が出土した。しかしながら、砂丘南端部では8月の調査の最終日に調査地点が現代に撹乱を受けていることが判明した。ただし、3 地点斜面を覆っている 撹乱土を重機で除去した結果、プライマリーな土層を確認できた。また、土器の中性子放射化分析や 残留脂質分析のサンプリング、動物遺体分析のための(ピックアップ・土壌)サンプリング、植物遺体分析を行うための土壌のサンプリングなどを行った。
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Strategy for Future Research Activity |
上述したように2022年度の発掘調査では砂丘南西部においては縄文時代前期(曽畑式土器)を回収することができ、西之表市教育委員会の調査によっても縄文時代前期の土器が検出されている。来年度もこの地点で発掘調査を実施する。また、砂丘南端部は8月の発掘調査により現代の撹乱を受けていることが判明したが、この地点を重機により深掘りしたところ、プライマリーな層が存在することが確認できた。来年度はこのプライマリーな文化層を主なターゲットとして発掘調査を実施する。土器の中性子放射化分析・残存脂質分析、石器のデンプン粒分析・使用痕分析、自然遺物(脊椎動物遺体、植物遺体)、古環境の復元、古人骨分析、土器圧痕分析などを実施する予定である。
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