Project/Area Number |
21H04397
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 7:Economics, business administration, and related fields
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
敦賀 貴之 大阪大学, 社会経済研究所, 教授 (40511720)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山形 孝志 大阪大学, 社会経済研究所, 特任教授(常勤) (20813231)
廣瀬 康生 慶應義塾大学, 経済学部(三田), 教授 (50583663)
小枝 淳子 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (30549275)
中園 善行 横浜市立大学, 国際マネジメント研究科, 教授 (10707483)
片山 宗親 早稲田大学, 政治経済学術院, 准教授 (20718134)
相馬 尚人 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 准教授 (50897543)
YOO DONGHOON 大阪大学, 社会経済研究所, 招へい准教授 (20868541)
明坂 弥香 神戸大学, 経済経営研究所, 助教 (40844593)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥41,600,000 (Direct Cost: ¥32,000,000、Indirect Cost: ¥9,600,000)
Fiscal Year 2024: ¥11,050,000 (Direct Cost: ¥8,500,000、Indirect Cost: ¥2,550,000)
Fiscal Year 2023: ¥11,310,000 (Direct Cost: ¥8,700,000、Indirect Cost: ¥2,610,000)
Fiscal Year 2022: ¥9,620,000 (Direct Cost: ¥7,400,000、Indirect Cost: ¥2,220,000)
Fiscal Year 2021: ¥9,620,000 (Direct Cost: ¥7,400,000、Indirect Cost: ¥2,220,000)
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Keywords | インフレ予想 / 期待形成 / 行動マクロ経済学 / 不完全情報 / アンケート調査 / コロナ禍 |
Outline of Research at the Start |
経済安定化の政策手段として、インフレ予想の直接操作の是非が問われている。政策としてインフレ予想を直接的に高められるのならば、実質金利は下がり、総需要を喚起できる。本研究は、4年間の研究期間で (1) 期待形成の変動要因、(2)期待形成の非合理性、(3)期待形成のインパクト、に焦点を絞った実証分析を行う。とくに、複数のアンケート調査を用いたミクロデータ分析を通じて(1)、(2)に取り組み、不完全情報の期待形成モデルや行動経済学的要素をとりいれたマクロ経済モデルを用いて(3)を明らかにする。これにより、インフレ予想の操作の是非を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度の研究成果には、昨年同様、4つに分類できる。(1) インフレ期待のマクロ経済分析、(2)DSGEと行動経済学の融合、(3) 行動経済学・行動科学の経済分析、(4) 低金利環境のマクロ経済分析、である。 (1)では、山形は、イングランド中央銀行のインフレ予想データの推移からイングランド銀行が経済見通しについてどのような事前分布をもっていたか、という手法を開発した。この研究成果は計量経済学の専門誌に公刊された。相馬は非伝統的金融政策期のインフレ予想の変化についての研究を継続して行っている。 (2)では、YooはDiagnostic Expectationsとニューケインジアンモデルの融合の研究、廣瀬はゼロ金利制約を考慮した行動マクロ経済学のニューケインジアンモデルの推計を行い、ともに国際的学術誌に掲載された。このほか、YooはDiagnostic Expectationsを小国開放経済モデルに加えた分析も開始した。 (3)では、明坂は前年から継続していた消費者のリスク態度の変化の研究について、査読付き雑誌に論文を公刊した。敦賀は家計が資産の保有動機が強い場合、マクロ経済が長期停滞に陥るモデルを引き続き分析している。片山は日本の官僚の残業のパターンについて、行動科学的な経済分析を継続している。 最後に(4)では、中園は、低金利下の金融政策効果について、金融政策がもたらす情報効果を踏まえた金融政策のトランスミッションメカニズムの分析を行った。敦賀は、低金利下の財政政策効果を分析し、財政政策の実施ラグの情報の効果についての分析を行った。小枝は、マクロファイナンスの手法を用いて、ゼロ金利環境において重要な金融政策の政策金利のシャドーレートの推計を行った。ゼロ金利環境における金融財政政策は、期待の役割を重視するため、きわめて重要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
令和5年度は、令和3,4年度と比較して、予想以上の学術誌の公刊を達成した。具体的には、Review of Economic Studies, Journal of Money Credit and Banking, Journal of Financial Econometrics, Review of Economic Dynamics, Econometric Journal, Oxford Bulletin of Economics and Statistics, American Economic Journal: Applied Economics, Journal of the Japanese and International Economiesをはじめとするトップジャーナルやトップフィールドジャーナルの掲載が含まれており、きわめて順調である。 また、令和5年度に至っては、代表者と分担者が年4回の研究会を実施し、得られた知見の共有、今後の研究の展開などについても、議論している。この点、研究が計画通りに進まないことがあっても十分に対応可能であると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も引き続き、各自がこれまでの研究を進展させ、可能であれば、メンバー間での共同研究を進める。また、当初の計画で設定した学術的な問いでは、期待形成の変動要因、期待形成の非合理性、期待形成のインパクトの3つをあげたが、現時点では、期待形成のインパクト、ついで、期待形成の変動要因について順調に成果が上がっている。令和6年度は、若干進捗が予定より遅れている期待形成の非合理性についての研究を推進する。 研究の進捗状況を共有するために、令和6年度についても、年4回程度の研究会を実施し、情報共有に努める。また、最終年度に向けて、今後の研究の発展方向も探っていく。
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