Project/Area Number |
21H04465
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 15:Particle-, nuclear-, astro-physics, and related fields
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
中村 隆司 東京工業大学, 理学院, 教授 (50272456)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 洋介 東京工業大学, 理学院, 助教 (00455346)
緒方 一介 九州大学, 理学研究院, 教授 (50346764)
王 赫 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 研究員 (70733963)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2026-03-31
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Project Status |
Declined (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥42,380,000 (Direct Cost: ¥32,600,000、Indirect Cost: ¥9,780,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2023: ¥10,010,000 (Direct Cost: ¥7,700,000、Indirect Cost: ¥2,310,000)
Fiscal Year 2022: ¥9,490,000 (Direct Cost: ¥7,300,000、Indirect Cost: ¥2,190,000)
Fiscal Year 2021: ¥16,120,000 (Direct Cost: ¥12,400,000、Indirect Cost: ¥3,720,000)
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Keywords | 実験核物理 / 不安定核 / 近接核子対 / 近距離相関 / 短距離相関 |
Outline of Research at the Start |
核内の近接核子対に焦点を当て、これを不安定核で世界初観測し、その本質を明らかにする。近接核子対は、平均核子間距離の半分未満に近接した陽子-中性子対で、フェルミ運動量超の過大な運動量をもつ原子核の新たな相関である。最近、その中性子過剰度依存性が電子散乱で示唆されたが、発現機構はわかっていない。一方、不安定核における一粒子軌道占有率の実験値と殻模型との乖離が謎となっているが、近接核子対で解決される可能性がある。本研究では、不安定核の重陽子ノックアウト反応による世界初の実験手法を実現し、近接核子対を定量的に広範囲の不安定核について観測する。こうして近接核子対の原子核における役割を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
核内の近接核子対に焦点を当て、これを不安定核で世界初観測し、その本質を明らかにする。近接核子対は、平均核子間距離の半分未満に近接した陽子-中性子対で、フェルミ運動量超の過大な運動量をもつ原子核の新たな相関である。最近、その中性子過剰度依存性が電子散乱で示唆されたが、発現機構はわかっていない。一方、不安定核における一粒子軌道占有率の実験値と殻模型との乖離が謎となっているが、近接核子対で解決される可能性がある。本研究では、不安定核の重陽子ノックアウト反応による世界初の実験手法を実現し、近接核子対を定量的に広範囲の不安定核について観測する。こうして近接核子対の原子核における役割を明らかにする。 具体的には、不安定核に対して(p,pd)反応実験を、理化学研究所のRIBFにおいて逆運動学で行い、その後方散乱と前方散乱の微分散乱断面積の測定から、核子対の短距離相関を調べる。これと歪曲波インパルス近似理論計算とを比較し、断面積の増大度合いを詳細に調べる。後方散乱の増大度合いが短距離相関のシグナルとなる。 R3年度は不安定核10Be(p,pd)反応実験に必要な前方散乱検出器、後方散乱検出器の配置を決めるためのシミュレーションコードを開発した。さらに、前方散乱検出器の基本設計を進め、実際にプロトタイプを製作しオフラインテスト実験を行い、性能を確かめた。 理論面では、原子核から陽子-中性子対をノックアウトする反応を記述する新しい反応模型「離散化チャネルインパルス近似(CDCCIA)」の開発を行った。特に陽子と重陽子の交換型の弾性散乱を素過程としてCDCCIAに組み込み、取得予定の実験データを分析する準備を整えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
不安定核10Be(p,pd)反応実験に必要な前方散乱検出器、後方散乱検出器の配置を決めるためのシミュレーションコードの開発を完了した。さらに、前方散乱検出器の基本設計を進め、実際にプロトタイプを製作しオフラインテスト実験を行い、性能を確かめたが、十分なエネルギー分解能を持つことがわかった。 理論面では、陽子による重陽子ノックアウト反応のデータ(実験グループによって取得予定)を分析する準備を整えた。また、核内における陽子-中性子対の存在確率と、その高運動量成分の度合いを測定するための適切な運動学条件を指定し、実験グループに提供した。 以上のように、当初の計画どおりに実験とその理論解析に対する準備が進行していることからおおむね順調に進展しているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
実験研究については、前年度に引き続き、前方散乱検出器の量産を進めるとともに、後方散乱検出器の基本設計、プロトタイプの製作とテストを進める。その検出器に対して加速器を使ったテスト実験を行い、粒子識別能力などの基本性能の確認を進める。 理論研究については、実験データの取得を待つ傍ら、構築したCDCCIAの改良を進める。具体的には、陽子-中性子対の分解状態にd波成分を取り入れることを試みる。また、核内に存在する陽子-中性子対の運動量分布を自由空間のそれから変化させ、断面積の応答を理論的に調査する。さらには、これまで用いてきた標準的な微分断面積に代わる、逆運動学にとって最適な微分断面積の検討と提案を行う。
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