Project/Area Number |
21H04493
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 16:Astronomy and related fields
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鶴 剛 京都大学, 理学研究科, 教授 (10243007)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
信川 正順 奈良教育大学, 理科教育講座, 准教授 (00612582)
田中 孝明 甲南大学, 理工学部, 准教授 (20600406)
武田 彩希 宮崎大学, 工学部, 准教授 (40736667)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥41,470,000 (Direct Cost: ¥31,900,000、Indirect Cost: ¥9,570,000)
Fiscal Year 2024: ¥11,180,000 (Direct Cost: ¥8,600,000、Indirect Cost: ¥2,580,000)
Fiscal Year 2023: ¥10,140,000 (Direct Cost: ¥7,800,000、Indirect Cost: ¥2,340,000)
Fiscal Year 2022: ¥11,180,000 (Direct Cost: ¥8,600,000、Indirect Cost: ¥2,580,000)
Fiscal Year 2021: ¥8,970,000 (Direct Cost: ¥6,900,000、Indirect Cost: ¥2,070,000)
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Keywords | 天の川銀河中心領域 / 拡散X線放射 / フェルミバブル / XRISM衛星 / X線SOIPIX / 拡散X線放射 |
Outline of Research at the Start |
天の川銀河中心領域(GC)から、1億度のX線高温プラズマや、ガンマ線のフェルミバブルが発見されている。これら激しい活動のエネルギー源への解明は、準相対論的粒子が鍵を握る。そこで、中性鉄の多重電離輝線をXRISM衛星で、非熱的制動放射をNuSTAR衛星で探索し、準相対論的粒子の空間分布、エネルギー総量、重イオン組成を決定する。将来のサーベイ観測のためデジタルX線SOIPIX素子を新開発する。
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Outline of Annual Research Achievements |
天の川銀河中心領域(GC)から,拡がったX線プラズマの熱的活動や,GeVのフェルミバブルなどの相対論的非熱的活動が発見されている.これらの活動のエネルギー源は何であろうか?この問いに答える鍵は,熱的から非熱的への移行フェーズである準相対論的粒子にある.申請者らは最近,準相対論的粒子からの中性鉄K輝線と,硬X線帯域の非熱的制動放射を初めて検出した.さらに申請者は,準相対論的イオンの多重電離が作る中性鉄KαLi構造の精密分光から,重イオン組成を決める方法を発案した.本研究では,これらの放射成分をXRISMとNuSTARで観測し,準相対論的陽子と電子の空間分布,エネルギー総量,重イオン組成等を初めて決め,GCの高エネルギー活動のエネルギー源に制限を与える.加えて広域サーベイを可能とする広視野・高感度硬X線検出器の実現のため,独自のデジタルX線SOIPIX素子を開発する.今年度は下記の研究活動を行った.(1) 2021年度にXMM-NewtonのGCの全観測データから連続成分および,Mg, Si, S, Feの各放射輝線における広域マップを作成し,Fe-K輝線の透過幅の非常に大きい構造を検出した.今年度,この構造(G0.61+0.01)のXMM-Newtonのデータを詳細に解析するとともに,電波観測との比較を行った.その結果,G0.61+0.01は双極的な運動をするSNRである可能性が高いことを明らかにした.(2) XRISM衛星の観測計画を立案するために,Chandra衛星によって行われたGCの観測データをすべて集め,連続成分および,Mg, Si, S, Feの各放射輝線における広域マップを作成した.(3) 大型X線SOI素子「XRPIX-X」の評価を進め,過去の大型素子「XRPIX7」での課題は解決できたことを確認した.(4) デジタルX線SOIPIX素子用のADC TEGの動作を確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の推進のために,XRISM衛星の実現が必要であるが,その開発は順調であり,予定通りの2023年度の実現が見込まれており,特に問題はない.X線CCDカメラ「SXI」の準備は完了し,本実績報告を行っている時点で,衛星に搭載され種子島宇宙センターで打ち上げを待っている段階である.XRISMによるGC観測計画立案のために,従来の衛星のGCの観測データの総まとめ解析を開始している,2021年度のXMM-Newtonに続き,2022年度はChandraの解析を行った.G0.61+0.01の解析は修士2年のテーマとして実施,ほぼ終了すると共に,当該学生の修士論文としてまとめることができた.X線SOIPIXの開発は,完成に向けた年次計画通りに順調に進んでいる.XRPIX-Xの評価やADC TEGの動作の確認もできた.以上から,概ね順調に進展していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
特異な構造を持つ領域G0.61+0.01の解析は2022年度にほぼ終了した.2023年度はこれを論文化する.2021年度のXMM-Newtonおよび2022年度のChandraに引き続き,既存の衛星(すざくあるいはNuSTAR)のGCのアーカイバルデータの解析もすすめたいと考えている.2023年度はいよいよXRISM衛星を打ち上げる.初期運用の後,GCの観測も予定されており,データが入手でき次第,解析を行う.また,観測提案も行う予定である.XRPIX-Xの性能評価を引き続き行う.デジタルX線SOIPIX素子の要素ブロックとして開発したADC TEGの動作の確認を行ったので,その性能を評価する.DAC・定電流源を搭載TEGの試作も終了したので,その動作確認を進める.XRPIX-Xに続く,大型アナログ素子と小型のデジタルX線SOIPIX素子の試作を行う.
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