Project/Area Number |
21H04499
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 16:Astronomy and related fields
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
青木 和光 国立天文台, TMTプロジェクト, 教授 (20321581)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨永 望 国立天文台, 科学研究部, 教授 (00550279)
諸隈 智貴 千葉工業大学, 天文学研究センター, 主席研究員 (10594674)
本田 敏志 兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 准教授 (20425408)
石垣 美歩 国立天文台, ハワイ観測所, 助教 (30583611)
平居 悠 東北大学, 理学研究科, 特任研究員(日本学術振興会特別研究員CPD) (60824232)
野本 憲一 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 客員上級科学研究員 (90110676)
須田 拓馬 東京工科大学, 教養学環, 講師 (90374735)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥41,210,000 (Direct Cost: ¥31,700,000、Indirect Cost: ¥9,510,000)
Fiscal Year 2024: ¥7,020,000 (Direct Cost: ¥5,400,000、Indirect Cost: ¥1,620,000)
Fiscal Year 2023: ¥11,310,000 (Direct Cost: ¥8,700,000、Indirect Cost: ¥2,610,000)
Fiscal Year 2022: ¥15,210,000 (Direct Cost: ¥11,700,000、Indirect Cost: ¥3,510,000)
Fiscal Year 2021: ¥7,670,000 (Direct Cost: ¥5,900,000、Indirect Cost: ¥1,770,000)
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Keywords | 金属欠乏星 / 化学組成 / 銀河系 / 超新星 / 宇宙初代星 |
Outline of Research at the Start |
ビッグバン後の宇宙で誕生してきた星が進化し、超新星爆発などで新たな元素を生み出すと、やがてそれは次の世代の星に取り込まれる。その繰り返しのなかで星の大集団である銀河系が形成されてくる。その過程をたどるには、銀河系に生き残る年齢の高い星を詳細に調べることが重要であり、そのために有用な明るい金属欠乏星を網羅的に探査し、詳細な化学組成を測定するとともに、それを説明することのできる超新星による元素合成とその結果が次世代の星に取り込まれるまでの過程の理論研究を推進する。
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Outline of Annual Research Achievements |
(1)明るい金属欠乏星の探査・観測にむけた準備として、東京大学木曽観測所シュミット望遠鏡の広視野CMOSカメラに金属欠乏星検出に感度のある狭帯域フィルタを導入するためのホルダを製作した。カメラの視野の4分の1をカバーする枚数のフィルタを製作し、試験観測を実施した(繰越により2022年度に実施)。 (2)(2)中国の分光探査望遠鏡LAMOSTで検出された候補天体に対してすばる望遠鏡を用いて取得された高分散分光データの解析を進め、約400天体の化学組成を決定し、結果をとりまとめた(2022年度に論文として出版)。これらの成果を取り込むため公開用データベースと分離したプロジェクト専用データベースの作成を検討するとともに、データ登録の効率化のためシステムを見直し、スクリプト群の整備を行った。 (3)分光サーベイで得られた銀河系ハロー星の元素組成を様々な超新星モデルと比較し、Ia型超新星の寄与割合を明らかにした。また、太陽質量の1万倍以上の質量をもつ初代星が一般相対論的不安定性によって超新星爆発を起こした場合、1年を超えるプラトー期を持ち、近赤外宇宙望遠鏡によってz=15まで観測可能であることを明らかにした。特異な超新星(超高輝度超新星、極超新星、電子対不安定型超新星など)の特性や元素合成を調べ、これらが初代星の超新星爆発かどうかを探る研究を進めた。 (4)初代星からの放出物質の影響を理解するため、個々の星を分解できる銀河形成シミュレーションで用いる星形成モデルの開発を行った。新たに形成した星粒子に確率的に星質量を割り振って星団形成シミュレーションを行い、仮定した初期質量関数との整合性を確認した。誕生した金属欠乏星が銀河系に取り込まれて現在に至るまでを理解するため、宇宙論的な初期条件から行った構造形成シミュレーションにより、銀河系に近いハロー質量、合体史が実現される初期条件を探索した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
東京大学木曽観測所での金属欠乏星の探査に向けた狭帯域フィルタおよびフィルターホルダの製作は、新型コロナウィルス感染症拡大の影響を受けて繰越を必要としたが、計画どおり進み、2022年度には全視野の4分の1で試験観測を実施できた。フィルターフホルダは2022年度中に全体がほぼ完成した。観測に向けた準備が進んでいる。 多様な超新星が観測されるようになっていることに対応し、大質量星の進化・超新星爆発とそれによる元素合成計算を幅広く実施している。初代星の影響を受けた金属欠乏星形成とそれを含む初期の銀河形成のシミュレーションでも成果が出ている。
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Strategy for Future Research Activity |
金属欠乏星探査に向けた観測の準備は着実に進んでいるが、一方、国際的にも明るい金属欠乏星に着目した観測計画が複数進んでいる。特に、位置天文衛星Gaiaが行っている分光観測は全天の比較的明るい星に対して、分解能が低いながらスペクトル情報を提供しており、それを用いた金属欠乏星同定の研究も進展している。これらの動向を注視し、最も効率的な探査およびフォローアップ観測の計画を立案する。
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