Project/Area Number |
21H04528
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 17:Earth and planetary science and related fields
|
Research Institution | Hiroshima University (2022-2024) Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology (2021) |
Principal Investigator |
岡崎 啓史 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 准教授 (90784257)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 真太郎 東京工業大学, 理学院, 助教 (60771293)
上杉 健太朗 公益財団法人高輝度光科学研究センター, 分光推進室, 主席研究員 (80344399)
野村 龍一 京都大学, 白眉センター, 特定准教授 (40734570)
|
Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
Budget Amount *help |
¥43,160,000 (Direct Cost: ¥33,200,000、Indirect Cost: ¥9,960,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2021: ¥23,270,000 (Direct Cost: ¥17,900,000、Indirect Cost: ¥5,370,000)
|
Keywords | 深発地震 / マントル / 地球深部 / 相転移 / レオロジー / スラブ / 沈み込み帯 / マントル遷移層 / プレートテクトニクス |
Outline of Research at the Start |
45億年前から現在に至る地球惑星の進化を理解するためには全地球的な物質循環を解明することが重要である。地球の体積のうちの80%を占めるマントルの変形特性(レオロジー)は地球内部の物質循環を大きく支配している可能性があるにも関わらず、技術的な困難さにより地球表層のたった10%程度の深さ(~700km)までしか理解されていない。本研究では回転式ダイヤモンドアンビル装置を用いて、未知の領域であるマントル遷移層(深さ23GPa・1500degC)からマントルの最下部であるD”層(136GPa・3200degC) の変形特性を網羅的に取得す全マントルを網羅するレオロジー断面図を決定することに挑戦する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究予算で2021年度に製作した改良型回転式ダイヤモンドアンビル装置を、2022年度からの研究代表者の広島大学への移動に伴い当該装置も広島大学へ移設した。回転式ダイヤモンドアンビル装置は持ち運び可能であるため、2022年度においてもSPring-8に持ち込み放射光実験でも使用した。2022年度はSPring-8のビームタイムを前期後期で各1週間ほど確保することができ(代表研究者の岡﨑及び分担研究者の東が申請代表)、本研究のテーマであるマントル遷移層周辺の圧力条件(およそ20GPa)において、カンラン石の相転移による粘性率低下と深発地震断層形成のプロセスを放射光XRD測定による鉱物組成と応力変化のリアルタイム観察をおこなうことができた。出発試料としてはカンラン石94%、斜方輝石6%の模擬マントル物質を使用した。また、放射光実験から得られたXRDデータから試料にかかる応力を計算するMatlab及びpythonのスクリプトを作成することができ実験データの解析時間を大幅に短縮することができた。2021年度に分担研究者の上杉が開発したXRD測定の半自動化プログラムと合わせて、実験手法については2022年度までに確立することができた。今年度は温度を400degC程度まで昇温することができ、一定温度下での変形実験と一定速度で温度を上昇させながら試料を変形させる一定昇温速度変形実験も実施することができた。以上のように2022年度は放射光下で変形実験をおこなうことに成功し、模擬マントル物質のの応力歪曲線を取得することができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度も世界的な半導体・材料不足により資材調達に若干の遅れがあったものの、当初の計画通り、SPring-8において高温高圧変形実験をおこなうことができた。レーザー加熱系については、半導体不足に伴う価格の高騰化に伴い導入することはできなかった。しかし、外熱式ヒーターの改 良や研究分担者の東博士による近赤外加熱装置の導入の検討などをおこなうことができたので、高温化への装置の調整は変わらず実施できた。また、matlabとpythonを組み合わせたデータ解析の自動化システムを構築することができ、データ解析にかかる時間が大幅に減少した。したがって若干の研究計画の変更はあったものの柔軟に対応できており、進捗状況としてはおおむね順調であると言える。
|
Strategy for Future Research Activity |
2023年度も引き続き本研究費で製作した改良型回転式ダイヤモンドアンビル装置をSPring-8に持ち込み、高温高圧大歪変形実験を放射光下でおこなう予定である。実験に必要なSPring-8のビームタイムについては、2023年度前期分は研究代表者の岡崎及び分担研究者の東が申請代表として申請した研究計画がすでに採択されており、6月に合計10日間のビームタイムをすでに確保している。2023年度後期分についても岡崎を代表者として申請予定である。2023年度も引き続き、本研究のテーマであるマントル遷移 層周辺の圧力条件(およそ20GPa)において、カンラン石の相転移による粘性率低下と深発地震断層形成のプロセスを放射光XRD測定による鉱物組成と応力変化のリアルタイム観察をおこなう。2023年度は加熱システムとして抵抗加熱式のヒーターに加えて赤外集光加熱方式も採用し更なる高温化に挑戦する。
|