Project/Area Number |
21H04575
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 22:Civil engineering and related fields
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
渦岡 良介 京都大学, 防災研究所, 教授 (40333306)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 勝利 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 准教授 (70232767)
中田 成智 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 准教授 (00815318)
藤澤 和謙 京都大学, 農学研究科, 教授 (30510218)
田中 宣多 三重大学, 生物資源学研究科, 助教 (20829816)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥40,950,000 (Direct Cost: ¥31,500,000、Indirect Cost: ¥9,450,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2022: ¥12,610,000 (Direct Cost: ¥9,700,000、Indirect Cost: ¥2,910,000)
Fiscal Year 2021: ¥13,130,000 (Direct Cost: ¥10,100,000、Indirect Cost: ¥3,030,000)
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Keywords | 地盤災害 / 豪雨 / データ駆動型予測 / リアルタイム予測 / 遠心模型実験 |
Outline of Research at the Start |
近年、現場観測データを活用するデータ同化・AIなどのデータ駆動型の地盤挙動予測の試みがなされている。しかし、地盤災害では豪雨のような非日常的な極端外力が誘因となることから、データ駆動型の地盤災害予測で不可欠な極端外力下での統計情報(観測ノイズなど)が不足している。そこで、現場で日常的に得られる観測データと遠心模型実験から得られる極端外力下での実験データに対する二つの統計情報の組合せ(ダブルデータ駆動型と呼ぶ)によって、新しいダブルデータ駆動型のリアルタイム豪雨地盤災害予測手法を構築する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、現場観測と遠心模型実験に基づくダブルデータ駆動型のリアルタイム豪雨地盤災害予測を実現することにある。従来のデータ駆動型の地盤挙動予測においては日常的な現場観測データに対する統計情報が用いられるが、データ駆動型のリアルタイム豪雨地盤災害予測には極端外力下(豪雨、高水)での統計情報が不可欠となる。そこで、極端外力を再現できる遠心模型実験を用いて、極端外力下での統計情報を適切に設定することでデータ駆動型のリアルタイム豪雨地盤災害予測を可能とする。現場で日常的に得られる観測データと遠心模型実験から得られる極端外力下での実験データに対する二つの統計情報の組合せ(ダブルデータ駆動型と呼ぶ)により、ダブルデータ駆動型の豪雨地盤災害予測手法を構築する。 本研究では豪雨による地盤災害を想定し、自然斜面の表層や盛土を対象とする。現場観測、遠心模型実験、地盤材料の力学特性を把握するための室内土質試験、地盤情報のベイズ推定および予測解析を実施する。本年度は次の項目を実施した。1) 遠心模型実験で使用する地盤材料の室内土質試験:遠心模型実験で用いる地盤材料の物理・力学特性を把握するため、物理試験・力学試験を実施した。2) 斜面表層の浸透・破壊挙動に関する遠心模型実験:降雨時の斜面表層の変形から破壊に至る挙動を対象とした。3) 盛土の浸透・破壊挙動に関する遠心模型実験:降雨が盛土に浸透する際の変形・破壊挙動を対象とした。4) 実地盤の地盤調査と観測・計測:実地盤においては徳島県において平野部や山間部で気象観測、地下水位観測、変位計測などを実施した。5) 実地盤の地盤情報のベイズ推定・逆解析、リアルタイム予測解析:1~4)のデータを用いて、地盤の材料特性や地層構成などを推定した。粒子フィルタを用いて不確実性の大きい地盤透水係数や斜面における降雨浸透率を推定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1) 遠心模型実験で使用する地盤材料の室内土質試験、2) 斜面表層の浸透・破壊挙動に関する遠心模型実験について、斜面の地下水浸透と降雨浸透による変形を対象とした遠心模型実験を実施した。定常的な地下水浸透状態を再現するため、地下水変動を与えるなど実験条件を工夫した。この結果、数値解析モデルの実験結果の再現性が向上した。 3) 盛土の浸透・破壊挙動に関する遠心模型実験について、2段擁壁を対象に遠心場での豪雨による転倒実験を行ない、擁壁背面の水浸状態の変化や擁壁の傾斜速度など、転倒に至る過程を観察した。 4)実地盤の地盤調査と観測・計測について、多数の擁壁に損傷がみられる宅地造成団地を対象に、3次元点群測量(ドローン測量)、ボーリング調査1か所、標準貫入試験、表面波探査2測線を行ない、地形と地盤の情報を取得した。現場の擁壁の変状観測から、進行的な変状を呈する箇所が4か所抽出された。徳島市及び吉野川市において2023年に震度1以上の地震を8回計測し、地震動データを得た。地震観測システムのシステム開発と維持管理に引き続き取り組んでいる。都市地震シミュレーションのための木造家屋及び壁式RC建物について、それぞれの構造特性を反映した非線形モデルを開発し、都市地震シミュレーションを実施した。 5) 実地盤の地盤情報のベイズ推定・逆解析、リアルタイム予測解析について、遠心模型実験を対象として斜面の地下水浸透から降雨浸透による変形を対象として、粒子フィルタを用いたデータ同化解析を実施した。不確実性の高いパラメータ(斜面での降雨浸透量)の同定に成功した。透水係数等の材料定数の空間分布をベイズ推定によって逆解析することに成功した。リバーシブルジャンプマルコフ連鎖モンテカルロ法(RJMCMC)の実装によりモデル(構成モデル等)の優劣をベイズ推定に基づいて評価できる枠組みを構築した。
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Strategy for Future Research Activity |
1) 遠心模型実験で使用する地盤材料の室内土質試験、2) 斜面表層の浸透・破壊挙動に関する遠心模型実験について、遠心模型実験の条件を追加し、実験ケース数を増やして、観測ノイズ設定のためのデータの蓄積を図り、その設定法を検討する。 3) 盛土の浸透・破壊挙動に関する遠心模型実験においては、実験ケース数を増やして、観測ノイズ設定のためのデータの蓄積を図り、その設定法を検討する。盛土擁壁背面の地下水位条件や加振条件および補強の有無の影響を検討する。 4) 実地盤の地盤調査と観測・計測においては、引き続き観測を継続する。必要に応じて追加の地盤調査を実施する。MEMSセンサによる傾斜計を進行的な変状を呈する擁壁に設置し、前面への転倒挙動を観測する。他の課題で開発した、リアルタイム現場モニタリングのシステムを本課題で対象としている団地にも適用する。点群測量や地盤調査の結果の活用を進める。都市地震シミュレーションの構造モデル開発と、精度検証、対象地域の拡大を図っていく。非観測地点における地震動を観測地震動から推定する技術を開発し、任意の点における地震動データを獲れるようにする。 5) 実地盤の地盤情報のベイズ推定・逆解析、リアルタイム予測解析においては、遠心模型実験を対象として斜面の地下水浸透から降雨浸透による変形を対象として、粒子フィルタを用いたデータ同化解析を継続して実施し、その適用性を検討する。誤差分散の事前分布が逆解析の結果に与える影響を評価する。さらに、徳島などで実施中の実地盤の観測データを対象としたデータ同化解析を実施し、実地盤での不確実性の高いパラメータの同定を図る。また、また、自然斜面における樹木根系の影響が重要であることから、斜面安定に樹木根系が与える影響のモデル化も併せて実施する。
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