Project/Area Number |
21H04589
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 24:Aerospace engineering, marine and maritime engineering, and related fields
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
佐宗 章弘 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (40215752)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 友祐 名古屋大学, 工学研究科, 特任助教 (10847685)
北村 圭一 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 准教授 (20402547)
長田 孝二 京都大学, 工学研究科, 教授 (50274501)
太田 匡則 千葉大学, 大学院工学研究院, 准教授 (60436342)
市原 大輔 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (80815803)
杵淵 紀世志 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (90648502)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥42,380,000 (Direct Cost: ¥32,600,000、Indirect Cost: ¥9,780,000)
Fiscal Year 2024: ¥7,020,000 (Direct Cost: ¥5,400,000、Indirect Cost: ¥1,620,000)
Fiscal Year 2023: ¥7,800,000 (Direct Cost: ¥6,000,000、Indirect Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2022: ¥7,150,000 (Direct Cost: ¥5,500,000、Indirect Cost: ¥1,650,000)
Fiscal Year 2021: ¥20,410,000 (Direct Cost: ¥15,700,000、Indirect Cost: ¥4,710,000)
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Keywords | 衝撃波 / ソニックブーム / 衝撃波管 / 圧縮性流体力学 / 光学可視化 / リーマン問題 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、衝撃波面前方に僅かな流速場を誘起すること(流速場nudge)によって波面を消失させるくらい積極的に背後圧力の増加を抑制する方法を原理実証し、ソニックブームなどの衝撃波被害緩和に応用することを目的とする。主要実験装置として「流動衝撃波管」を開発し、既設の屋内自由空間も活用して実験サイトを整備し、数値解析と光学可視化計測と密接にタイアップして研究を推進する。流速変化領域の有限長さや多次元性の影響等も含めて、関連する流体力学現象を解明し、衝撃波緩和・消失デバイスを原理実証、機能評価し、応用展開につなげる。
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Outline of Annual Research Achievements |
衝撃波管実験では、当初予定していた定常循環流れの形成では循環流出入口での流れが複雑になり、想定した流れの形成ができなかったため、対向衝撃波管における2つの隔膜の独立能動破断システムを活用して、高圧‐中圧‐低圧部をこの順序で構成する作動に変更し、中‐低圧部で前方誘起流れ、高‐中圧部で衝撃波を形成し、それらの干渉実験を実施した。試験部として、①マジックオリフィス(単段の衝撃波管を使用)と②断面積が収縮する流路における干渉の実験を実施し、それに応じた数値シミュレーションを実施した。①については、衝撃波マッハ数1.4までの作動条件において高衝撃波マッハ数側で、衝撃波背後圧力低下の効果が得られた。②については、衝撃波の二次元反射の影響で一次元流れとは異なる現象が確認された。屋内自由空間における実験では、前方流速場と衝撃波の干渉に関する風洞実験を実施した。その結果、前方流速場により衝撃波強度が弱まる可能性が示唆された。また、平面衝撃波・一様等方性乱流干渉の直接数値計算データベースについて、乱流と干渉した衝撃波の局所形状を平均曲率・ガウス曲率により評価し、形状と衝撃波強度の関係を明らかにした。衝撃波面の光学可視化診断については、マッハ数1.03 程度で空気中を伝播する衝撃波と噴流との干渉場を背景設置型シュリーレン法(BOS 法)によって計測することができた。また、噴流との干渉により変形した衝撃波面の位置によって圧力測定値に差が生じることが確かめられた。数値実験に関しては、微弱衝撃波(衝撃波マッハ1.01)を拡散させず、かつ低コストで解像する新しい流体計算法(MUSCL-THINC-p-rho、略称"T-MUSCL")を提案した。以上の成果を総合することによって、衝撃波圧力変調に関する原理実証の目途をつけ、応用展開の足掛かりを構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験装置系の整備がほぼ完了し、有望な成果が出始めている。また、数値流体力学として、弱い衝撃波の波面もシャープに捕捉できる新しいスキームを考案して、有効性を検証するなど、当初の想定を超える成果も得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度として、これまでの研究成果を更に深化させるとともに、成果の取りまとめと発信に注力する。衝撃波管および自由空間における衝撃波変調実験とそれらの数値実験を介して、前方流動場nudgeによる衝撃波面消失原理の実証と、マジックフェンスの圧力変調効果を検証する。衝撃波管実験において、これまでの定常流形成法では、衝撃波管内の圧力分布が大きく変化してしまい、原理実証が困難であることが明らかになった。それに対して、衝撃波管内に先細‐末広ノズルを設置し、予め準定常流れを発生させたところに衝撃波伝播させることによって、理論的に衝撃波を消失させることが可能であるという解析結果が得られたため、それに対応した実験を継続して実施する。その際、準定常流れの発生と衝撃波伝播の同期は、既存の対向衝撃波管の隔膜破断制御システムを活用する。マジックフェンスについては、「時間差干渉」の概念をより活かした方策を追求する。屋内自由空間における実験では、ファンの吸い込みにより生成される前方流速場と球面衝撃波の干渉実験を行い、低速前方流速による弱い衝撃波の消失を調査する。衝撃波面の光学可視化診断については、これまでに開発した多方向同時計測システムを利用して、大気中を伝播する弱い衝撃波と擾乱との非定常干渉場に対する4次元系計測を実施し、衝撃波消失現象に対する実験データを蓄積する。数値実験に関しては、弱い衝撃波面の補足能力を向上させるために、既存のMUSCL法を改良したMUSCL-THINCハイブリッド法を開発したが、その更なる高度化を図る。また、直接数値計算データベースを用いてヘルムホルツ分解により衝撃波の圧縮に関わる速度成分を抽出し、衝撃波変形により衝撃波強度の変動が生じるメカニズムを明らかにする。
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