Microstructure control and ultrahigh temperature properties of Mo-Ti-based super heat-resistant MoSiBTiC alloy that overcomes oxidation resistance
Project/Area Number |
21H04606
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 26:Materials engineering and related fields
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉見 享祐 東北大学, 工学研究科, 教授 (80230803)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井田 駿太郎 東北大学, 工学研究科, 助教 (90829714)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥41,600,000 (Direct Cost: ¥32,000,000、Indirect Cost: ¥9,600,000)
Fiscal Year 2024: ¥7,670,000 (Direct Cost: ¥5,900,000、Indirect Cost: ¥1,770,000)
Fiscal Year 2023: ¥7,670,000 (Direct Cost: ¥5,900,000、Indirect Cost: ¥1,770,000)
Fiscal Year 2022: ¥7,670,000 (Direct Cost: ¥5,900,000、Indirect Cost: ¥1,770,000)
Fiscal Year 2021: ¥10,920,000 (Direct Cost: ¥8,400,000、Indirect Cost: ¥2,520,000)
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Keywords | モシブチック合金 / 超耐熱 / 耐酸化性 / ミクロ組織 / フィジビリティスタディ / モリブデン合金 / チタン合金 / モリブデン / チタン / シリコン / 固溶体 / チタンシリサイド |
Outline of Research at the Start |
耐酸化性を克服し,超耐熱・高強度・高靭性・高造形性を有した,新しい超耐熱モシブチック合金の創製に向けて,Mo-Ti固溶体を新たな金属母相とし,SiとTiの供給源でもあるMo5SiB2とTiCの体積率やMo5SiB2/TiC比率を見直すことによって,Pilling-Bedworth Ratio機構とその補完的耐酸化機構のシナジー効果をデザインする。また,急冷凝固ガスアトマイズ粉末のプラズマ焼結によってミクロ組織を制御し,耐酸化性と機械的性質の両立を達成する。さらに,民間企業からの要望を取り入れながら3次元積層造形に挑戦し,その特徴を活かした材料機能のフィジビリティ・スタディを行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
Mo-Ti二元系合金の急冷凝固ガスアトマイズ粉末の作製と放電プラズマ焼結法による焼結体の作製、またMo5SiB2、TiCを添加したMo-Ti基モシブチック合金の急冷凝固ガスアトマイズ粉末の作製と放電プラズマ焼結法による焼結体の作製を実施した。合金組成は、原子比率 (at%)でMo-50Ti、Mo-52.5Ti、Mo46Mo-51Ti-3Si、44Mo-50Ti-3Si-3Cの4種の号金を試み、Mo46Mo-51Ti-3Si、44Mo-50Ti-3Si-3Cの2種類を得た。また、得られた焼結体の高温酸化挙動の調査に着手した。合金組成の絞り込みを行う目的で、Mo-50Ti (at%)をベース合金として、Mo-49.25Ti-1.5Si、Mo-48.5Ti-3Si、Mo-47.5Ti-5Si、Mo-45Ti-5TiCの合金試作をアーク溶解法で実施し、相平衡、ミクロ組織、機械的性質、耐酸化性等を事前調査した。その結果、Mo-50Ti合金に対するSiの固溶限はおよそ2.2at%であり、それを超えるとTi5Si3金属間化合物が晶出し二相平衡となる。0%Siで約400 HvであったMo-Ti固溶体の硬度はSi濃度の増加と共に上昇し、固溶限2.2at%で約550Hvに達する。それを超えると約550 Hvで一定になる。同様に降伏応力は0%Siで約1000 MPaであったものが、2.2at%Siを超えると約1450 MPaで一定になる。2.2at%Si前後のSi濃度では、圧縮変形による塑性ひずみは約9 %ほど発現するが、Si濃度の増加と共に圧縮塑性ひずみは減少する、といったことを明らかにした。さらに、Mo-47.5Ti-5Si合金の耐酸化性は800°C、1100°C共に良好であり、比較的延性があり、硬度、強度が著しく高く、高温の耐酸化性に優れる全く新しいMo-Ti合金の創成に可能性を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
申請時の計画通り、Mo-Ti二元系合金の急冷凝固ガスアトマイズ粉末の作製と放電プラズマ焼結法による焼結体の作製、またMo5SiB2、TiCを添加したMo-Ti基モシブチック合金の急冷凝固ガスアトマイズ粉末の作製と放電プラズマ焼結法による焼結体の作製を実施した。そのうち、46Mo-51Ti-3Si、44Mo-50Ti-3Si-3Cの2種類の急冷凝固アトマイズ粉末の試作に成功した。得られた焼結体の高温酸化挙動の調査にも着手した。こういった計画に沿った進捗であることに加えて、期待を上回る優れた成果が得られた。まず、先行して粉末作製に関して、民間企業単独で実施できそうな段階に入った。粉末の品質には今なお問題があるが、自社の技術努力でそれを解決する方向で進捗している。また、本研究の中心課題であるMo-Ti基合金が耐酸化性を克服するメカニズムに直結する成果として、Mo:Ti=1:1合金にSiを添加した場合のSi固溶限が約2.2 at%であり、その臨界値を越えた組成では800°Cの酸化挙動が劇的に改善すること。またその場合に形成する不動態被膜はこれまでの常識を覆し、TiO2粒子の関与が不可欠であること。さらに、1100°Cでは5at%のSi濃度で圧倒的に良好な耐酸化性となること、などが挙げられる。こういった耐酸化性改善の要因は、TiO2粒子間の空隙を流動性の高いSiO2が毛細管現象によって充填し、その結果、緻密な被膜が形成されることで酸素イオンの透過を抑制しているものと考えられた。この時、被膜が緻密になるためには、その温度におけるSiO2の生成量と流動性、そしてTiO2粒子間の空隙体積が適正なバランスとなることが重要であると考えられる。このように、これまでの高温酸化挙動としては珍しい、Mo-Ti(+Si)合金特有の不動態被膜生成メカニズムが発見された。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に沿って、「Mo5SiB2,TiCを添加したMo-Ti基モシブチック合金の急冷凝固ガスアトマイズ粉末の作製と放電プラズマ焼結法による焼結体の作製」では、昨年度、世界で初めて、民間企業と共同でモシブチック合金の急冷凝固ガスアトマイズ粉末の作製を試みた。しかし得られた粉末は、これまで我々が作製してきた急冷凝固ガスアトマイズ粉末と比べて不純物酸素濃度が1桁も高くなっていた。そこで今年度は、その原因を究明し、不純物の混入を抑制した良質な急冷凝固ガスアトマイズ粉末を民間企業が単独で作製できるよう技術指導を進める。「Mo5SiB2,TiCを添加したMo-Ti基モシブチック合金の急冷凝固ガスアトマイズ粉末焼結体の高温酸化挙動」では、得られた放電プラズマ焼結体に対して、700 - 1400°Cの温度範囲で高温酸化挙動を調査し、耐酸化性改善に対するMo5SiB2とTiCの適正な体積率やミクロ組織形態を明らかにする。「酸化皮膜解析によるPBR機構の補完的耐酸化機構の解明」では、本研究で得られた酸化試験片に対して、生成した酸化被膜の構造を詳細に解析し、PBR機構モデルの妥当性の証明やPBR機構を補完する耐酸化機構の解明を進める。「Mo5SiB2、TiCを添加したMo-Ti基モシブチック合金の急冷凝固ガスアトマイズ粉末焼結体の物理的・機械的性質の評価」では、得られた放電プラズマ焼結体に対して、物理的性質や機械的性質を調査し、新しい超耐熱モシブチック合金の創製に向けて、Mo-Ti固溶体とMo5SiB2、TiCの最適な複合化条件の検討に着手する。さらに、「Mo5SiB2,TiCを添加したMo-Ti基モシブチック合金の3次元積層造形体の物理的・機械的性質の評価」では、試作したMo5SiB2、TiCを含むMo-Ti基モシブチック合金粉末を使った3次元積層造形体の作製の準備に取りかかる。
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Report
(3 results)
Research Products
(37 results)