Development of safe and high-performance secondary batteries based on nanotubes and assessment of their impacts on reduction of greenhouse gas emission
Project/Area Number |
21H04633
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 27:Chemical engineering and related fields
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
野田 優 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (50312997)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥42,250,000 (Direct Cost: ¥32,500,000、Indirect Cost: ¥9,750,000)
Fiscal Year 2023: ¥14,690,000 (Direct Cost: ¥11,300,000、Indirect Cost: ¥3,390,000)
Fiscal Year 2022: ¥12,220,000 (Direct Cost: ¥9,400,000、Indirect Cost: ¥2,820,000)
Fiscal Year 2021: ¥15,340,000 (Direct Cost: ¥11,800,000、Indirect Cost: ¥3,540,000)
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Keywords | 二次電池 / ナノチューブ / 安全・高性能 / 低炭素化 / 技術評価 |
Outline of Research at the Start |
リチウムイオン電池等の二次電池は、低炭素社会の基幹技術の一つとして期待されている。エネルギー密度等の性能向上と同時に安全性の確保も一層重要である。本研究では柔軟で高耐熱な無機ナノチューブを用いて性能と安全性を両立する。カーボンナノチューブベースの柔軟電極に、窒化ホウ素ナノチューブセパレータを組み合わせ、高容量活物質の性能を引き出し補助材料を削減してエネルギー密度を向上、熱に耐え歪を吸収して安全性を確保する。低炭素化には充電電力に加えて電池の製造・廃棄の負荷低減も欠かせず、補助材料削減と簡易・高速製造で負荷を低減する。ライフサイクルアセスメント等で環境負荷を定量評価、社会に役立つ技術を開発する。
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Outline of Annual Research Achievements |
項目1. 高エネルギー密度・高安全性二次電池の開発:前年度までにLi||Li2Sx-CNT電池で高容量を実現したが、Li負極が原因でサイクル特性に課題を抱えている。そこで容量はやや下がるが安定性に優れたSiOの負極利用を検討した。CコートSiO粒子とCNTの共分散・ろ過でSiO/C-CNT自立膜負極を作製、電極基準で>1200 mAh/gの高容量を確認した。容量制限により電極基準584 mAh/gを236サイクル達成、リチオ化時に膨張し脱リチオ化時に収縮して安定動作すること確認した。また流動層法長尺CNTを10種類比較検討し、正極と負極それぞれに適したCNT構造を明らかにした。 項目2. 常温でも高温でも動作する二次電池の開発:高耐熱性のBNNTセパレータとイオン液体電解液を用いた高温動作電池の開発を継続した。高温では電解液の酸化分解が加速し、LFP-CNT正極では100 ℃を超えると劣化が速まった。一方、Li箔でのデンドライト形成が高温では緩和されることが示唆され、Li|BNNT|LTO-CNT全電池により150 ℃での200サイクル以上の可逆動作を達成した。 項目3. 電池の製造・利用・廃棄のLCA:現行の黒鉛||NMC電池、先行研究のLi||S電池、本研究のLi||Li2Sx-CNT電池のLCAを実施し、本電池では硫黄の正極利用と分散・ろ過プロセスにより製造時のGHG排出を抑制可能と確認した。利用時にはLi負極起因の短寿命により却ってGHG排出が増え、寿命改善が課題である。 項目4. 社会実装性に優れた電池の提案:使用済みリチウムイオン電池の分解と材料リサイクルを検討した。黒鉛負極は、弱酸、強塩基、熱処理の各種処理により銅箔から黒鉛を分離、再生黒鉛で新品と同等の性能を実現した。NMC正極は600 ℃の熱処理によりアルミニウム箔からNMCを分離、容量も回復することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
項目1ではLi負極の安定性に課題を抱えているが、SiOを負極に用いることで安定動作が可能となった。項目2では高温ではLi負極でのデンドライト形成が緩和されることが示唆され、従来負極材とみなされてきたLTOを正極に用い、Li箔負極と組み合わせることで、150 ℃もの高温での可逆動作を実現した。項目3では利用段階も含めたLCAを始めており、課題も明確化できている。項目4では市販の使用済みリチウムイオン電池の実験的なリサイクル検討を開始でき、簡易なプロセスにより黒鉛負極、NMC正極を再生するとともに、銅箔、アルミニウム箔の回収も実現した。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的には計画通りに研究開発を推進する。項目3,4ではLCAがカギとなるが、LCA専門家の平尾雅彦氏が客員教授として、Zih-Ee Lin氏が次席研究員として2023年4月に着任し、他大学へ異動したHeng Yi Teah氏との共同研究を継続し、充実した体制で本格検討に取り組む。使用済みリチウムイオン電池の実験的なリサイクル検討では、素性の明らかな使用済みリチウムイオン電池の入手が困難であることが、系統的な検討の障害となっている。そこで大電流対応の充放電装置を新規に導入し、新品のリチウムイオン電池を購入して充放電サイクルを繰り返して劣化状態を作り出し、再生検討へと利用することで研究をさらに加速する。
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Report
(3 results)
Research Products
(37 results)