Project/Area Number |
21H04734
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 40:Forestry and forest products science, applied aquatic science, and related fields
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福田 健二 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (30208954)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 敦史 九州大学, 農学研究院, 教授 (10360471)
寺田 康彦 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (20400640)
矢崎 健一 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (30353890)
清水 文一 東洋大学, 生命科学部, 教授 (50324695)
楠本 大 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 講師 (80540608)
種子田 春彦 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (90403112)
梅林 利弘 秋田県立大学, 生物資源科学部, 特任助教 (20585997)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥42,120,000 (Direct Cost: ¥32,400,000、Indirect Cost: ¥9,720,000)
Fiscal Year 2024: ¥8,840,000 (Direct Cost: ¥6,800,000、Indirect Cost: ¥2,040,000)
Fiscal Year 2023: ¥8,580,000 (Direct Cost: ¥6,600,000、Indirect Cost: ¥1,980,000)
Fiscal Year 2022: ¥7,930,000 (Direct Cost: ¥6,100,000、Indirect Cost: ¥1,830,000)
Fiscal Year 2021: ¥16,770,000 (Direct Cost: ¥12,900,000、Indirect Cost: ¥3,870,000)
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Keywords | MRI / 非破壊観察 / 組織化学 / 通水阻害 / 線虫 / マツノザイセンチュウ / クライオSEM / 遺伝子発現 / 樹脂 / エンボリズム / 二次代謝 |
Outline of Research at the Start |
わが国最大の樹木病害であるマツ材線虫病の萎凋枯死機構の核心を、病徴の前期に生じる樹脂道内での線虫の移動とエピセリウム細胞の食害への反応としての木部通水阻害、病徴進展期に生じる線虫の増殖に伴う形成層への加害および木部最外層での面的な通水阻害、という2つの鍵となる場面に焦点を当てる。これら2つの異なる場面において生じているマツと線虫の相互作用を、①MRIによる非破壊での木部通水阻害の観察により経時的に明らかにしつつ、②組織化学的手法による通水阻害原因物質の局在の解析、③微量化学分析および④RNA発現解析による生合成経路の解明へと進める。
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Outline of Annual Research Achievements |
3年生アカマツ苗に、自然光の明条件区と被陰した暗黒条件区という2つの処理区を設け、それぞれにマツノザイセンチュウを接種して、接種後数日おきにMRIを用いた非破壊観察により通水阻害の進展をモニタリングした。明条件区の接種苗では、通水阻害は従来の研究報告に見られるのと同様の樹脂道周囲のパッチ状のエンボリズムと、主に接種部を中心として扇型ないし不定形に広がった面的なエンボリズムの2種類が観察されたのに対して、暗黒条件区の接種苗では、通水阻害が年輪に沿って接線方向に拡大することがわかった。 通水阻害に寄与する樹脂等の成分について検討するため、材線虫病によって枯死した野外クロマツ成木の枝と、半枯れ状態の生存木の枝、健全木の枝のサンプルから樹脂成分を溶媒抽出して、ガスクロマトグラフィーにより分析し、ピークを示す成分の同定を行った。 通水阻害や仮道管内の物質分布を観察する手法として、凍結状態でサンプルを高倍率で観察できるクライオSEM法は極めて有効であるが、装置が森林総研など限られた施設にしかないため、手軽に観察することできない。そこで、通常のSEMの試料室内で、凍結したサンプルを凍ったままSEM観察する手法について検討した。凍結したまま観察できる時間が30分程度に制限されてしまうという欠点はあるが、観察は可能であった。 今後の接種試験に用いるため、線虫の近親交配株を多数作出した結果、多くの遺伝子がホモとなっていることを確認した。 材線虫接種後の通水阻害の進展を成木において明らかにするための準備として、筑波大学構内に植栽した健全なアカマツ成木の樹液流速分布をMRIにより可視化することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
MRIの装置の不調により、2021年度の接種試験後の撮像を行うことができなかったため、予算を繰り越して2022年の夏に再度接種試験を行うことになった。
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Strategy for Future Research Activity |
苗木を用いた接種試験を行い、より詳細な組織観察を行う。特に、暗黒条件下での樹脂等の成分の仮道管への漏出や壁孔を通じた仮道管間での移動や壁孔膜への付着等に着目し、通水阻害との関係を詳細に明らかにする。また、筑波大学構内に植栽した成木において、線虫接種後の夏の樹液流速の可視化を行い、通水阻害に伴う樹液流の変化について検討する。
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