Project/Area Number |
21H04750
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 41:Agricultural economics and rural sociology, agricultural engineering, and related fields
|
Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
黒田 清一郎 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究部門, 主席研究員 (30343768)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本間 雄亮 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究部門, 研究員 (00827157)
斎藤 広隆 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (70447514)
桑谷 立 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海域地震火山部門(火山・地球内部研究センター), グループリーダー (60646785)
藤巻 晴行 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 教授 (90323253)
麻植 久史 京都大学, 工学研究科, 特定准教授 (70462843)
佐藤 源之 東北大学, 東北アジア研究センター, 名誉教授 (40178778)
塩谷 智基 京都大学, 工学研究科, 特定教授 (40443642)
|
Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
Budget Amount *help |
¥41,990,000 (Direct Cost: ¥32,300,000、Indirect Cost: ¥9,690,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2023: ¥11,050,000 (Direct Cost: ¥8,500,000、Indirect Cost: ¥2,550,000)
Fiscal Year 2022: ¥14,690,000 (Direct Cost: ¥11,300,000、Indirect Cost: ¥3,390,000)
Fiscal Year 2021: ¥13,520,000 (Direct Cost: ¥10,400,000、Indirect Cost: ¥3,120,000)
|
Keywords | 地盤中水物質移動 / 非破壊診断 / デジタル情報化 / 深層学習 / デジタルツイン / 物理探査 / 深層地盤 / 地盤環境 / 深層地盤環境 / 非破壊診断技術 / 水・物質移動 / 土壌中水物質移動 / 深層強化学習 / 浸透流 / AIサロゲート解析 / 環境制御 / 強化学習 |
Outline of Research at the Start |
地表から地下水までの地盤における水物質分布のダイナミックな挙動を深層地盤環境動態とよび、これをデジタル情報として再現するシステムを開発するために、複合的な物理探査技術に基づく地中可視化技術を開発するとともに、その解析のプロセスに深層学習を適用することにより高速化を行う。次にこの複雑な現象を経験的に学習するシステムの開発のために、地盤中の監視結果を活用し制御を行う深層強化学習のフレームワークを開発する。以上の提案技術の適用性を検証する室内実験技術として、物理探査が対象とするマクロな野外地盤と、土壌学などで行われるミクロなカラム模型実験の間のメソスケールでの土層実験技術を提案し、実証試験を行う。
|
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度、試行的に計測した模型地盤内の浸透と物質移動を解析する技術を開発するとともに、東北大学から電磁波計測装置を移設し、原位置で調査可能な物理探査技術と高分解能な室内非破壊診断技術の両者を同時に実験可能な装置を、鳥取大学敷地内の土壌試料等を用いながら試作した。不均一な浸透流が発生した場合に、物理探査技術等で計測した波形からベイズ統計に基づく先験的情報を用いた逆解析による方法と、深層学習に基づく代理解析により高速にイメージングを行う技術の開発を行った。また塩類化土壌のリーチングを想定した数値モデル実験を行うとともに、その浸透形態等について分類を行った。土や土層模型の表面形状および状態をアレイカメラシステムを構築することにより高精細に3次元デジタルデータ化するシステムを開発するとともに、それらの結果をNeRF等の新たな3次元画像処理型AIを用いて高速に可視化するシステムの開発を行うことにより、リアルタイムで土層模型等の形状および外観をデジタル情報化するシステムのプロトタイプ開発を行った。弾性波および電磁波探査技術についてはアレイ受動同時計測システムおよびその解析手法の開発を進め、常時監視型イメージング技術を実現するとともに、イメージング結果とその時間発展を3次元デジタルデータとして随時格納するシステムの構築を行った。またその結果からドメイン変換や超解像処理などを、比較的新しい機械学習フレームワークである拡散モデルを用いて再構築する研究等に着手した。これらにより内部状態も含めた土と水物質の分布とその動態をデジタル情報化するシステムの開発を行った。一部の成果は農業農村工学会誌において発表し、また米国地球物理学連合などにおいて発表を行うとともに、前後に関連する米国の研究者と交流によって国際的な研究動向の把握と研究体制の整備を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、地表から地下水までの地盤における水物質分布のダイナミックな挙動、すなわち深層地盤環境動態をリアルタイムにデジタル情報として再現するシステムの構築を、複合的な物理探査技術に基づく高分解能な地中可視化技術と、その解析プロセスへの深層学習等の適用による高速化によって実現することを第一の目的としている。本年度までの作業において、不均一な浸透流が発生した場合に、物理探査技術等で計測した波形からベイズ統計に基づく先験的情報を用いた逆解析による方法と、深層学習に基づく代理解析により高速にイメージングを行う技術の開発を行い、また土や土層模型の表面形状および状態をアレイカメラシステムを構築することにより高精細に3次元デジタルデータ化するシステムを開発した。さらに、それらの結果をNeRF等の新たな3次元画像処理型AIを用いて高速に可視化するシステムの開発を行うことにより、リアルタイムで土層模型等の形状および外観をデジタル情報化するシステムのプロトタイプ開発を行うことができた。これらの研究成果を査読付き学会誌や国際学会においても発表することができたことから、概ね順調に進展しているものと判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
R6年度は電磁波を用いたトモグラフィ計測に基づく誘電率・導電率分布の評価によって、地盤中の体積含水率等の分布を推定する計測アンテナの高速な切替により高い頻度と時間分解能での計測を行うシステムの開発を行う。また、人工信号と常時微動等の信号の双方の弾性波から地盤の状態を把握する弾性波トモグラフィシステムの開発を行う。以上のような物理探査により高分解能で環境動態を定量的に評価し可視化することのできる物理探査技術を導入し、深層地盤における環境動態を3次元の空間分布の評価を可視化し、その時間発展を高速かつ安定的に追跡できる技術の開発を行う。
上記の評価解析は時間のかかるものであるが、その数値シミュレーションにおける学習結果の推論によって、AI技術により統計的・経験的な推論により、すなわち深層機械学習技術により高速に行う技術を開発する。これは、理論的な数値解析技術を、その統計的な関係を経験的に学習することによって、高速な推論を行うことを目指すものである。この数値解析のシミュレーションによる学習は3次元で行われるため多くの計算リソースを必要とすることから3次元解析システムの導入を図る。以上によって、物理探査による可視化的解明技術と、機械学習の援用によるその評価解析の高速化によって、深層地盤環境動態をリアルタイムに再現するデジタルツイン構築技術の開発を行う。 また、本研究は弾性波探査や逆解析および水移動解析など一部実用的な段階に達した技術もあることから、その応用的展開として農業用貯水池や農地における同技術の応用方法について実証的な検証も行う。研究成果の一部は12月に行われるアメリカ地球物理学連合等において発表予定である。その前後に米国内における研究協力者および研究成果の共同著者などと共同実験と解析およびそれに関する打ち合わせを行う予定である。
|