Project/Area Number |
21H04836
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 56:Surgery related to the biological and sensory functions and related fields
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
渋谷 彰 筑波大学, 医学医療系, 教授 (80216027)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥42,250,000 (Direct Cost: ¥32,500,000、Indirect Cost: ¥9,750,000)
Fiscal Year 2023: ¥12,220,000 (Direct Cost: ¥9,400,000、Indirect Cost: ¥2,820,000)
Fiscal Year 2022: ¥13,780,000 (Direct Cost: ¥10,600,000、Indirect Cost: ¥3,180,000)
Fiscal Year 2021: ¥16,250,000 (Direct Cost: ¥12,500,000、Indirect Cost: ¥3,750,000)
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Keywords | エフェロサイトーシス / 遺伝子発現変 / DAMPs / CD300a / 時空間的ダイナミクス / 脳梗塞 / 心筋梗塞 / 腎虚血 / 肝臓虚血 / フォスファチジルセリン / ダメージ関連分子パターン / 炎症 / 自然免疫 / 抑制性免疫受容体 / アレルギー / 肝虚血 |
Outline of Research at the Start |
我が国の心疾患, 脳血管疾患による死亡は全死因の中で,それぞれ2番目, 3番目であり, 生存者であっても,後遺症である心不全, 神経障害による肉体的, 精神的, 社会的な質(QOL)の低下は著しい。また, これらの医療費も膨大であり, その経済的損失も計り知れない。本研究では, 脳梗塞、心筋梗塞、および脳、心臓、肝臓、腎臓の虚血再還流後の組織障害の時空間的な病理とその分子機構を明らかにし、エフェロサイトーシスを介したこれらの疾患の制御法開発のための基盤的研究を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
虚血によって生じる死細胞は, DAMPsを放出することによって局所ならびにその周囲の無菌性炎症を惹起する。この炎症がさらなる細胞死を誘導し,時間経過につれて広範な組織障害が成立する。一方, 死細胞の除去は, この悪循環を断ち切り, 組織修復の一つの制御機構となりうる。申請者らは, 骨髄球系細胞の活性化を負に制御する免疫受容体であるCD300aを同定し, これが死細胞の細胞膜上に露出するフォスファチジルセリンの受容体であることを明らかにし、さらに CD300aがエフェロサイトーシスを抑制することを見出した。本研究では,脳、心臓、腎臓、肝臓の虚血再還流後の組織障害の時空間的な病理とその分子機構を明らかにし、エフェロサイトーシスを介したこれらの疾患の制御法開発のための基盤的研究を行う。 令和4年度においては、臓器虚血後のエフェロサイトーシスは、炎症性単球か、組織在住マクロファージが関与しているかを明らかにすることを試みた。申請者らが確立したGFPマウスを全身照射後, TdTomato Lyz2-CreマウスあるいはCd300fl/fl TdTomato Lyz2-Creマウスの骨髄を移植したキメラマウスを作成し、脳、心臓、腎臓虚血を誘導し, 虚血局所のTdTomato+ 単球、好中球、およびマクロファージのエフェロサイトーシスへの関与をフローサイトメトリーまたは免疫組織染色で解析した。その結果、脳においては炎症性単球、腎臓、心臓においては組織在住性マクロファージによるエフェロサイトーシスの亢進が確認され、これによるDAMPsの減少、ならびに組織障害の軽減が認められた。これらの結果から、臓器特性の違いが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、脳、心臓、肝臓、腎臓の虚血再還流後の組織障害の時空間的な病理像におけるエフェロサイトーシスの役割とその分子機構を明らかにし、エフェロサイトーシスを介したこれらの疾患の制御法開発の基盤的知見を得ることを目的とした。これまで、ぞれぞれの臓器虚血において、CD300aが貪食細胞によるエフェロサイトーシスを制御することを明らかにした。さらに、脳、心臓、腎臓においては、エフェロサイトーシスの制御がDAMPsの産生と炎症制御につながる分子機構を概ね明らかにした。さらに、CD300aとPSとの結合を阻害する抗CD300a中和抗体の投与によって,脳梗塞病態、腎虚血病態が著明に改善することを明らかにした。以上から、これまでの研究期間における当初の目的は、概ね順調に進んでいると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
2023 年度は本研究の最終年度であり、研究計画を完遂させる。そのために下記の計画を予定する。 1.シングルセルRNA-seq 解析: 虚血後の臓器から経時的にCD45+免疫細胞およびCD45-非免疫細胞をシングルセルに調整し, 細胞分類解析, 擬時間解析を用いて, 遺伝子発現の変化を解析する。各種細胞サブセットの虚血によって誘導される遺伝子発現変動を解析することによって, 死細胞, エフェロサイトーシス, 炎症反応の関連を明らかにする。さらに, 空間的トランスクリプトミクス解析を用いて, それぞれの遺伝子発現の位置情報を解析し, 虚血後の遺伝子発現の時空間的ダイナミクスを明らかにする。 2.エフェロサイトーシスの制御による虚血障害の制御法の基盤開発: 申請者らは,ヒトCD300AとPSとの結合を遮断するマウス抗ヒトCD300A中和抗体をすでに樹立した。ヒト単球からマクロファージを誘導し,樹立した抗ヒトCD300A中和抗体のエフェロサイトーシスの促進効果を検証するとともに,その分子機構をマウスとの対比で明らかにする。さらにin vivoでの効果を検証するために、ヒト化マウスモデルを用いたヒト型虚血モデルでの検証を行う。さらに,シングルセルRNAシークエンスを用いた包括的, 網羅的解析により,免疫細胞や神経細胞やグリア細胞の遺伝子発現プロファイルを解析し,エフェロシトーシス,DAMPs,炎症反応,細胞死などの関与する遺伝子発現に対する抗マウスCD300a中和抗体の作用機構を明らかにする。
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