Project/Area Number |
21H04861
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 59:Sports sciences, physical education, health sciences, and related fields
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
中川 嘉 富山大学, 学術研究部薬学・和漢系, 教授 (80361351)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島野 仁 筑波大学, 医学医療系, 教授 (20251241)
長谷 耕二 慶應義塾大学, 薬学部(芝共立), 教授 (20359714)
戸邉 一之 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (30251242)
樋上 賀一 東京理科大学, 薬学部生命創薬科学科, 教授 (90253640)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥41,860,000 (Direct Cost: ¥32,200,000、Indirect Cost: ¥9,660,000)
Fiscal Year 2024: ¥9,880,000 (Direct Cost: ¥7,600,000、Indirect Cost: ¥2,280,000)
Fiscal Year 2023: ¥9,490,000 (Direct Cost: ¥7,300,000、Indirect Cost: ¥2,190,000)
Fiscal Year 2022: ¥11,050,000 (Direct Cost: ¥8,500,000、Indirect Cost: ¥2,550,000)
Fiscal Year 2021: ¥11,440,000 (Direct Cost: ¥8,800,000、Indirect Cost: ¥2,640,000)
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Keywords | 生活習慣病 / 脂質代謝 / 肝がん / 腸内細菌 / 脂肪肝 / 肝臓がん / 腸内細菌叢 / 栄養吸収 / 成長ホルモン抵抗性 / CREBH / FGF21 / IGF1 / 食餌誘導性肝がん / 腸肝連関 |
Outline of Research at the Start |
本課題ではCREBH機能欠損時に食事負荷のみで生活習慣病が増悪化するメカニズムを後述の内容について明らかにする。(1)エピジェネティック、ゲノム変異、(2) 細胞内栄養代謝における小胞体機能、(3) 肝臓・小腸の発生・分化、(4) 腸構造異常による全身性の慢性炎症と腸内細菌叢変化、(5) 組織構成細胞間連関、(6) 腸肝連関。独自に開発した組織特異的、薬剤誘導型CREBH遺伝子改変(KO、過剰発現)マウスを用い、腸内細菌叢解析や多層階オミクス解析から、生活習慣病の病態変化を把握する。正常と病気の間「未病」を理解し、病態が確定される前の段階での介入治療を実現するためのエビデンスを得る。
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Outline of Annual Research Achievements |
CREBHの発現は絶食時に上昇する。翻訳されたCREBHタンパクは膜貫通領域を持つ未成熟型として合成される。膜貫通領域が切断され、初めて活性型となる。しかしながら、これ以外のCREBHの活性化機構についてはほとんど知見がない。高フルクトース食で脂肪肝を誘導した際、CREBHのmRNA量は変化しなかったのに対し、タンパク量の増加を示した。その増加は未成熟型、活性型の2つの型の総和であり、特に活性型が増加した。高フルクトース負荷時、CREBHタンパクは糖鎖(O-GlcNAc)が付加されることでタンパク分解を回避する新たなメカニズムを見出した。高フルクトース負荷により、肝臓内の糖質は増加し、その糖質の一つO-GlcNAcがCREBHに付加された。CREBHへの糖鎖付加はO-GlcNAc transferase (OGT)により触媒され、O-GlcNAcase (OGA)により除去された。一方、O-GlcNAcの生合成経路であるヘキソサミン合成経路(HBP)を構成する酵素群の遺伝子発現はCREBH欠損で低下し、過剰発現マウスの肝臓では上昇した。これら酵素群は小胞体ストレス転写因子XBP-1により制御され、プロモーター領域には共通してXBP-1が結合するunfolded protein response element (UPRE) が存在することがすでに報告されている。これら酵素群がCREBHの新規標的遺伝子であることを見出した。高フルクトース食ではXBP-1の発現は変化しなく、この条件下ではCREBHがこれら遺伝子を中心的に制御すると考えられる。CREBH KOマウスの肝臓では高フルクトース負荷時に生じるOGTによる細胞内タンパクへの糖鎖付加の増加が減弱し、CREBHがHBPから糖鎖付加を制御することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高フルクトース食負荷による脂肪肝の発症をCREBH KOマウスでは増悪化するが、そのメカニズムについて、糖・脂質代謝の制御の面から新たなメカニズムを解明しており、現在、論文化に向けてまとめている。 生活習慣病を誘導する食事を負荷したCREBHマウスの肝臓での遺伝子発現変化をRNA seqで網羅的に解析し、CREBH欠損による生活習慣病病態を悪化させる因子として、複数の遺伝子を同定した。マウス肝臓だけでなく、初代肝細胞で様々な栄養条件でそれら遺伝子の機能と病態との相関について解析を進めている。 マウス肝臓でのCREBHの機能を解析するために、CREBHの発現を組織特異的・時期特異的に操作するために必要となる肝臓特異的。薬剤誘導型Cre Tgマウスの作成がうまくいかなかった。そのため、新たに作成を開始したため、CREBHを時期特異的に発現操作する実験について、遅れが出ている。
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Strategy for Future Research Activity |
CREBH欠損による生活習慣病病態を悪化させる因子として、見出したミトコンドリアにおけるATP代謝に関わる酵素について解析を進めている。この遺伝子はCREBHにより発現が上昇し、KOマウスでは低下することから、CREBHの新規標的遺伝子と想定している。この酵素がミトコンドリアでのエネルギー産生にどのような機能を有するかを検証する。現在、この遺伝子の機能を過剰発現、ノックダウンし、実際にCREBHで観察される病態変化を説明しうるかを検証する予定である。 網羅的解析からCREBHはオートファジーに関連する遺伝子の発現を上昇させ、オートファジーを活性化することが想定されている。そのため、CREBH 欠損によりオートファジーが不活性化されると想定しており、その異常が生活習慣病病態悪化との関連を検証する計画である。CREBH KOマウスで観察される細胞内脂質蓄積が脂質を分解するオートファジーであるリポファジーによるものであるか、また、小胞体、ミトコンドリアのオートファジーであるERファジー、マイトファジーを介し、それぞれの細胞内小器官の機能異常をもたらした結果であるかを検証する。また、新規CREBH標的遺伝子として、ERファジーの律速遺伝子を同定している。その遺伝子の機能異常が代謝異常を引き起こすかも細胞、マウスレベルで検証する予定である。
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