Project/Area Number |
21H04940
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 64:Environmental conservation measure and related fields
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
栗栖 太 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (30312979)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
春日 郁朗 東京大学, 先端科学技術研究センター, 准教授 (20431794)
小坂 浩司 国立保健医療科学院, その他部局等, 上席主任研究官 (60370946)
新福 優太 国立研究開発法人国立環境研究所, 環境リスク・健康領域, 特別研究員 (60964666)
竹内 悠 京都大学, 工学研究科, 助教 (70835272)
島崎 大 国立保健医療科学院, その他部局等, 上席主任研究官 (60322046)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥40,950,000 (Direct Cost: ¥31,500,000、Indirect Cost: ¥9,450,000)
Fiscal Year 2024: ¥9,100,000 (Direct Cost: ¥7,000,000、Indirect Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2023: ¥12,220,000 (Direct Cost: ¥9,400,000、Indirect Cost: ¥2,820,000)
Fiscal Year 2022: ¥9,230,000 (Direct Cost: ¥7,100,000、Indirect Cost: ¥2,130,000)
Fiscal Year 2021: ¥10,400,000 (Direct Cost: ¥8,000,000、Indirect Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | ノンターゲット分析 / 未知スクリーニング分析 / 精密質量分析 / 未規制汚染物質 / 精密質量分析計 / 高分解能質量分析計 |
Outline of Research at the Start |
多くの浄水処理施設において、工場排水や下水処理水が流入した水源を利用する、いわば非意図的再利用となっている。本研究では近年登場した精密質量分析計を用い、測定対象物質を事前に定めず数多くの有機物分析を行うことで、流下過程における有機物汚染の流入と消長を幅広く把握する。河川流域における水の循環利用において、未規制物質も最大限含めた管理体制の在り方を示し、より一層安心できる水道水質管理を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
下水処理施設において、流入水および2次処理水、塩素消毒後の放流水について分析を行い、各処理段階での有機物の除去状況を把握した。9処理場から3回にわたり採水したデータを合わせて整理したところ、ポジティブイオン化で95,000種、ネガティブイオン化で99,000種の物質情報が得られた。ポジティブイオン化の例をとると、流入水で検出された物質のうち86%が2次処理で除去されていた。2次処理水中で検出された物質のうち、77%は流入水では検出されていないものであり、2次処理において生成した物質であった。塩素消毒後には、1100物質の生成があった。また、流入水中の3-40%の物質が処理水でも検出されていることが判明した。 河川水の調査については、2か月に1度10河川において下水処理水の流入前後の地点を含む地点で年度後半より採水し、溶存有機物のスクリーニング分析を行った。その結果、デカン酸やN,N-ジメチルドデシルアミンなど、予測無影響濃度を超える値で検出されるものが確認された。今年度も引き続きデータを解析し、通年調査として取りまとめる予定である。 浄水プロセスにおける調査では、ターゲットスクリーニング法により、オゾン/生物活性炭処理を導入している2浄水場での除去性の調査を行った。いずれかの浄水場で検出された物質は30種であった。凝集沈殿処理では、その多くは除去性が低かったが、一部の物質は大きく濃度が低下した(ブロマシル、イソプロチオラン、テフリルトリオン、トリメトプリム、アシュラム)。いずれの浄水場でも前塩素処理を行っており、塩素処理によって分解したことが考えられた。オゾン処理では、ほとんどの物質が原水に対して90%以上低減され、BAC処理では、一部の物質はさらに濃度が低減した。これらの結果から、化学物質の低減に対するオゾン/BAC処理の有効性が、スクリーニング分析によって確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
河川水の試料採取を予定通り実施し、分析を行っており、初期データは取得してある。今後引き続き実施し得られる試料とともに、各回採水における変動等について、次年度まとめて実施していく。また、下水処理場における調査は研究計画以上の回数と頻度で実施することができ、こちらについてもデータ整理が進んでいる状況である。浄水場における調査についても、調査対象を明確にして調査が開始でき、浄水場における除去特性についての情報が得られつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の成果をもとに、次年度はスクリーニングされた物質のうち重要性が高いものについて、物質の構造推定を行い、物質同定を進めていく予定である。さらに、同定された物質の毒性情報が得られるものについては、試料中の濃度と比較して毒性影響について検討する。また、物質同定まで至らない物質についても、構造情報から定量的構造活性相関を用いて毒性の推定を行い、同様の比較を行う。ターゲットスクリーニング分析の結果と合わせ、来年度以降解析を実施していく。
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