Project/Area Number |
21H04955
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 90:Biomedical engineering and related fields
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
杉田 修啓 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20532104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 匡徳 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20448046)
加藤 輝 基礎生物学研究所, 超階層生物学センター, RMC助教 (30391915)
成田 裕司 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (60378221)
緒方 藍歌 名古屋大学, 医学系研究科, 特任講師 (70718311)
氏原 嘉洋 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80610021)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥38,480,000 (Direct Cost: ¥29,600,000、Indirect Cost: ¥8,880,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2022: ¥13,910,000 (Direct Cost: ¥10,700,000、Indirect Cost: ¥3,210,000)
Fiscal Year 2021: ¥7,800,000 (Direct Cost: ¥6,000,000、Indirect Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 大動脈解離 / 多光子顕微鏡 / 破壊機構 / 高血圧 / 力学環境 / 間質流 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,大動脈解離発症機構の力学的解明を目指す.血管壁が層間で剥離する大動脈解離は,破裂時致死率が高い一方,発症機構が不明である.我々は,「内圧負荷時に,血管壁内の層間が互いにずれるせん断変形が生じる」「加圧により内腔から壁内への液体流入が増す」との知見を近年に得た.この結果から,血圧増加により「せん断変形が解離を生じさせる」「液体流入が解離を生じさせる」の2仮説を有している.そこで,大動脈解離モデルマウスを用い,せん断変形や間質流を調べることで,大動脈解離発症機構を明らかにしたい.また,臨床での測定法開発や投薬による影響等,応用にも取り組む.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,1.大動脈解離モデルマウスの作製,2.仮説1:せん断変形による大動脈解離形成の検証,3.仮説2:間質流増加による大動脈解離の検証,4.応用への試み,を研究全体像として計画した. まず,「1.大動脈解離モデルマウスの作製」については,本年度もアポリポタンパク質E欠損マウスにアンギオテンシンIIを与えたマウスモデルとβアミノプロピオニトリルを飲水させた大動脈解離モデルを作製し,両者で以下の実験を実施した.本課題については,既に大動脈解離発症条件を把握し,解離発症血管と解離発生予定血管を得る実験系を確立した. 次に,「2.仮説1:せん断変形による大動脈解離形成の検証」であるが,昨年度に陥ったレーザの不具合について,ようやくレーザを交換することができ,問題を解消した.これにより,正常血管モデルと大動脈解離発生予定モデルのせん断変形計測を試行した.また,装置不具合期間中に構築した大動脈層間の剥離接着試験数を積み重ね,一定の成果を得た.大動脈解離の進行に伴い,弾性板層間を結ぶ細いエラスチン線維が減少し,それに伴うように剥離接着強さが低下した.この細いエラスチン線維量と剥離接着強さには正の有意な相関があり,細いエラスチン線維の減少が大動脈解離による層間の剥離を生じさせる可能性を強く示唆した. 「仮説2:間質流増加による大動脈解離の検証」では,昨年度得られた大動脈解離発生予定部位での間質流増加を結論するために相対的に実験した「周方向引張試験」に疑義が生じたため,この再検証を実施した.しかし,依然として間質流を含む系でのみ,大動脈解離で見られる血管壁性状を示す結果が得られた.よって,間質流が大動脈解離に影響していることを示唆することとなった. 最後に,「4.応用への試み」として,外部機関の超音波エコーを用い,マウスの大動脈壁変形挙動の計測を引き続き試行した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験装置不具合でせん断変形計測は遅れているが,代わりに実施した剥離接着試験により,興味深い結果が得られた.また,それ以外は予定通りに進行しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、当初の計画通りに研究を進める。
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