Project/Area Number |
21H04973
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Research Category |
Grant-in-Aid for Specially Promoted Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
居田 克巳 核融合科学研究所, その他部局等, 特任教授 (00184599)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤堂 泰 核融合科学研究所, 研究部, 教授 (00249971)
山田 弘司 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (20200735)
伊藤 公孝 中部大学, その他の部局, 顧問 (50176327)
篠原 孝司 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (50354600)
徳沢 季彦 核融合科学研究所, 研究部, 准教授 (90311208)
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Project Period (FY) |
2021-05-18 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥624,650,000 (Direct Cost: ¥480,500,000、Indirect Cost: ¥144,150,000)
Fiscal Year 2024: ¥29,900,000 (Direct Cost: ¥23,000,000、Indirect Cost: ¥6,900,000)
Fiscal Year 2023: ¥148,200,000 (Direct Cost: ¥114,000,000、Indirect Cost: ¥34,200,000)
Fiscal Year 2022: ¥232,440,000 (Direct Cost: ¥178,800,000、Indirect Cost: ¥53,640,000)
Fiscal Year 2021: ¥193,960,000 (Direct Cost: ¥149,200,000、Indirect Cost: ¥44,760,000)
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Keywords | 位相空間揺らぎ / 位相空間乱流 / ランダウ減衰 / 通過時間減衰 / 無衝突エネルギー移送 / 位相空間 / 位相空欄乱流 / 輸送パラダイム / 核融合プラズマ / 輸送 / 核融合プラズ |
Outline of Research at the Start |
強い非平衡開放系である核融合プラズマの輸送(熱流束と温度勾配の関係)はプラズマ中に発生する揺らぎで決定されることがわかっている。いままで、密度、温度、流速などの実空間における揺らぎのパターン(いわゆる乱流)が研究されてきた。しかし、速度空間におけるマクスウェル分布からのずれ(歪み)の揺らぎは研究されていなかった。本研究課題では、速度空間歪みの揺らぎの計測装置を開発して超高温プラズマ発生装置に設置、実空間の揺らぎ(乱流)と速度空間の揺らぎの両者を観測する。そして、揺らぎの研究を従来の「実空間」から「位相空間」へと拡張し、非局所輸送やヒステリシスなどの謎を解きえる新しい輸送パラダイムを探求する。
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Outline of Annual Research Achievements |
JT-60SAの高速荷電交換分光システムの光学系および光ファイバーバンドルを製作した。観測ポート本体室のジャンクションボックスを製作した。不純物である炭素の速度分布関数とバルクプラズマである水素・重水素の速度分布関数を同時に計測するために、炭素用の分光器に加えて水素用の分光器を製作した。 位相空間トモグラフィ手法の実験データへの適用を進めた。計測の対象は、高エネルギー粒子駆動MHDモードのランダウダンピング現象とする。RFプローブをはじめ、さまざまな計測器で揺動の発生時間が同定されるため、分布関数計測の信号対雑音比を向上させるための条件付き平均法を用いることが可能となる。実験条件の異なる場合のデータを複数取得し、分布関数応答がどのように変化するかを議論した。 電子サイクロトロン放射強度測定システムの構築を完了する。ラジオメータの中間周波数信号から周波数成分を弁別するフィルタバンク部を設計し製作した。ラジオメータとしての性能評価をノイズソースを用いて調査し、高温プラズマ計測に十分な性能であることを確認した。アンテナ集光光学装置を試作し、設計通りの性能が得られるか試験した。 運動論的MHDハイブリッドシミュレーションによる高エネルギー粒子励起不安定性の研究では、位相空間分布解析を高エネルギー粒子だけでなく熱イオンにも適用して、波動を中継した高エネルギー粒子から熱イオンへのエネルギー移送過程を解析した。イオンサイクロトロン周波数帯波動によって加速された高速イオンが励起するアルヴェン固有モードのシミュレーションを実行し、高速イオンの位相空間ゆらぎがもたらすAEの多様な時間発展を研究した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
JT-60SA装置での測定を目指した荷電交換分光測定システムについては、本体室のジャンクションボックスから計測室のジャンクションボックスまで光を伝送する1600本の光ファイバーの製作は終了している。2箇所の観測窓を取り付けられた2個のポートプラグと本体室のジャンクションボックスまでの800本の光ファイバーバンドル2セットの設計も終了している。分光計測を行うための分光器システムも、すでに3台が製作終了している。一部部品については製造中止などのトラブルがあったが、同等品を特注で製造する計画を進めている。JT-60SAの本格的実験には遅れが生じているが、計測システムのR&Dを行うLHDの運転は3年の延長が認められ、十分なR&Dの期間が確保できた。またR&Dで行った観測において、無衝突エネルギー移送の質量依存性が観測されるという実験結果が得られ、単なるR&D以上の成果が得られた。 JT-60SA装置での測定を目指した電子サイクロトロン放射強度測定システムについては、i)ミリ波伝送路のコンポーネントは、設計から製作までが順調に進んでいる。ii)放射光を受信するラジオメータは、設計が完了し、部品の入手を進めているが、一部部品については当初予定よりも納期がかかり、若干の遅れが生じている。iii)ミリ波の集光光学装置は、初期設計では他機器との干渉が生じることが判明したので、再度設計を行っている。ただし、製作は当初の予定通りであり、遅れはない。 当初予定には含めていなかったが、トムソン散乱計測を用いてLHDプラズマを対象に、速度分布関数の変化を観測できる可能性を調査し、非マクスウェル成分によると思われる散乱光のスペクトル強度の変化が得られている。この方式での観測が実証できれば、当初想定以上の成果を得ることができると期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年4-6月と令和7年10-12月に行われるL H D実験にて、分光器に新しく製作した2種類の検出器(イメージインテンシファイヤー付きの高速カメラとの電子増幅付きのC C D検出器)を取り付けて、各々をテスト、各々の検出器の優劣を判断する。 トモグラフィ手法を用いてより詳細な揺動計測を行うことは、位相空間乱流理論の検証を行う上でも重要である。微小スケール位相空間乱流の直接的・間接的計測は現状困難であるる。位相空間乱流現象の結果として現れる巨視的スケールの揺動現象を理論的に予測するために、理論・シミュレーション研究者との共同研究を行う。特に、Full-fグローバルジャイロ運動論シミュレーションでは、波動-粒子相互作用や、それによる分布の緩和などが計算されている。流体乱流輸送によって引き起こされる輸送現象と波動-粒子相互作用が寄与する輸送現象の特徴の違いを導出し、実験観測に役立てる。予測される揺動現象の観測のため、計測システムの最適化も進める。 JT-60SA装置への適用を進め、コルゲート導波管の敷設、アンテナ集光光学装置の設置を行い、ラジオメータの信号を得て、高温プラズマ中の電子の速度分布関数の歪み測定を行うことを目指す。並行して、大型ヘリカル装置LHDでのプラズマ実験が実施できることになったので、LHDにおいてトムソン散乱装置を用いた電子の速度分布関数の変化を観測し、プラズマの加熱方法の違いによる影響や突発的なプラズマ変動による応答など、高温プラズマ内部の知見を得ることを目指す。 ライン比分光で電子のエネルギーを推定する手法の開発を他分野との連携研究として進める。この手法をオーロラ観測に応用し、磁気圏において磁力線に沿って大気中に振り込んでくる電子のエネルギーの揺らぎの計測を目指す。
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Assessment Rating |
Interim Assessment Comments (Rating)
A: In light of the aim of introducing the research area into the research categories, the expected progress has been made in research.
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