Project/Area Number |
21H05000
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (S)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Broad Section C
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
水上 成美 東北大学, 材料科学高等研究所, 教授 (00339269)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜屋 宏平 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 教授 (90401281)
|
Project Period (FY) |
2021-07-05 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
Budget Amount *help |
¥184,860,000 (Direct Cost: ¥142,200,000、Indirect Cost: ¥42,660,000)
Fiscal Year 2024: ¥27,560,000 (Direct Cost: ¥21,200,000、Indirect Cost: ¥6,360,000)
Fiscal Year 2023: ¥27,560,000 (Direct Cost: ¥21,200,000、Indirect Cost: ¥6,360,000)
Fiscal Year 2022: ¥93,600,000 (Direct Cost: ¥72,000,000、Indirect Cost: ¥21,600,000)
Fiscal Year 2021: ¥8,580,000 (Direct Cost: ¥6,600,000、Indirect Cost: ¥1,980,000)
|
Keywords | スピントロニクス / 磁性体 / 半導体 / 垂直磁化 / 磁気抵抗素子 |
Outline of Research at the Start |
磁性体と絶縁体からなる磁気抵抗素子は不揮発性のメモリへと応用され、その製品化が進みつつある。本研究では、そのようなメモリの更なる高速化・大容量化を可能とする革新的な材料・素子の研究を行う。具体的には、次世代半導体と研究代表者独自のマンガン系磁性材料等を高度に融合させた縦型の磁気抵抗素子を研究する。それら異種材料の界面における化学や、安定な界面の形成手法を明らかにすることで、室温で大きな磁気抵抗効果を発現する素子の実現を目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
代表者、分担者は各々独自の磁性材料ならびに半導体材料を用いた研究を進めつつ、融合研究を本格化した。代表者は、正方晶Mn合金(001)面を電極としMgO(001)面をスペーサーとする垂直磁化素子において、放射光分析等最先端計測手法も駆使することで界面層構造の最適化を進め、室温で120%の磁気抵抗比を示す素子の開発を達成し論文発表した。当該素子は低温で300%に迫る磁気抵抗比を示しており酸化物半導体スペーサーを有する素子開発へ向けた準備が整った。また正方晶Mn合金と窒化物半導体スペーサーを組み合わせた素子研究を進め、スペーサーの構造パラメータとそれに接する正方晶Mn合金の磁気特性の関係について知見を得た。これらの研究の過程で、メモリ応用に向けて重要となる結晶成長技術を見出した。研究を加速するために窒素・酸素雰囲気の制御性を高めつつ安定した製膜を可能とする製膜装置改造を行った。ウルツ鉱型ワイドギャップ半導体の(0001)面を用いた素子と組み合わせて用いるため、六方晶Mn強磁性合金ならびに、六方晶フェリ磁性合金材料の研究を進めた。これら新磁性材料においてメモリ応用上必須となる低ダンピング定数の特性評価を進めるため、レーザー装置を導入し高精度計測の整備を進めた。また、分担者の開発するIV族半導体スペーサーを有する素子に代表者の開発する新磁性体薄膜を積層するため、試料表面を清浄化するイオンガンを備えたチャンバーを導入し整備を進めた。分担者は、高精度な薄膜成長を実現するために、MBE用のビームフラックスモニタ等を導入し整備した。代表者の作製した正方晶Mn合金薄膜(001)面上にIV族半導体薄膜成長を検討する過程で、ミスマッチが大きいながらもGe(001)面がエピタキシャル成長することを偶然見出し、MnGa/Ge(001)面を有する縦型の磁気抵抗素子の作製に成功し学会報告した。また、Sn添加Ge薄膜の作製条件を探索した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
代表者は、室温で120%の磁気抵抗比を示す素子の開発を達成し論文発表している。当該素子は低温で300%に迫る磁気抵抗比を示しており、次年度以降の素子開発へ向けた準備は整った。また正方晶Mn合金と窒化物半導体スペーサーに関する特異な結晶成長技術も見出した。六方晶系磁性材料薄膜の研究も進んでいる。代表者と分担者は緊密に連携することで、正方晶Mn合金薄膜(001)面上にミスマッチが大きいながらもGe(001)面がエピタキシャル成長することを見出し目的とする縦型の磁気抵抗素子の作製に成功し学会報告している。このように計画は順調に進んでいるため、おおむね順調に進展している、とした。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでの成果を発展させ研究を推進する。代表者は、正方晶Mn合金(001)面とMgO(001)面スペーサーを用いた垂直磁化素子のさらなる構造最適化を進め室温200%程度の磁気抵抗比を目指しつつ、MgOの元素置換による酸化物半導体素子や窒化物半導体素子の研究開発を進める。また現在研究を進めている六方晶系磁性材料の垂直磁気異方性やダンピング定数の評価を進める。分担者は、Ge薄膜への元素ドープ技術を利用することで素子特性最適化を検討しつつ、Mn合金薄膜とGeの安定な界面形成の知見を得る。代表者と分担者はこれまで以上に緊密に連携し、早期に、正方晶Mn合金/Ge(001)面磁気抵抗素子の輸送特性評価を進める。年度後半からは、上述の六方晶系材料と酸化物・窒化物半導体(0001)面やゲルマニウム(111)面をスペーサーとして組み合わせた素子の研究を推進する。
|
Assessment Rating |
Interim Assessment Comments (Rating)
A: In light of the aim of introducing the research area into the research categories, the expected progress has been made in research.
|