Project/Area Number |
21H05037
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (S)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Broad Section G
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
濡木 理 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (10272460)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小笠原 諭 千葉大学, 大学院理学研究院, 准教授 (30546685)
井上 飛鳥 東北大学, 薬学研究科, 教授 (50525813)
藤芳 暁 東京工業大学, 理学院, 助教 (70371705)
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Project Period (FY) |
2021-07-05 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥189,280,000 (Direct Cost: ¥145,600,000、Indirect Cost: ¥43,680,000)
Fiscal Year 2024: ¥36,790,000 (Direct Cost: ¥28,300,000、Indirect Cost: ¥8,490,000)
Fiscal Year 2023: ¥36,790,000 (Direct Cost: ¥28,300,000、Indirect Cost: ¥8,490,000)
Fiscal Year 2022: ¥36,790,000 (Direct Cost: ¥28,300,000、Indirect Cost: ¥8,490,000)
Fiscal Year 2021: ¥42,120,000 (Direct Cost: ¥32,400,000、Indirect Cost: ¥9,720,000)
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Keywords | GPCR / 生体膜 / クライオ電子顕微鏡 |
Outline of Research at the Start |
GPCRは7回膜貫通型の細胞膜に存在する蛋白質であり、化学物質など外界からの刺激を受容し細胞内にシグナルを伝達する。本研究では、生体膜環境に近い状態に再構成したGPCRの構造をクライオ電子顕微鏡法によって決定し、さらにクライオ蛍光顕微鏡やトモグラフィーを駆使することで、GPCRがどのように細胞にシグナルを伝えているのかを生の状態で可視化する。構造情報を元に、GPCRの活性を操る新規薬剤の開発につなげる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、さまざまなGPCRを対象に、リガンドと受容体との相互作用やアゴニストの結合様式を解明し、それらがシグナル伝達や生理学的特性にどのように関与しているかの解明を目的としている。特に、交感神経を司るβアドレナリン受容体のうち、β1とβ2受容体は2007年頃の最初期に構造が決定されたGPCR研究のファーストランナーだったが、それから14年もの間、β3受容体の構造だけは報告されていなかった。そこで我々はヒトではなくイヌ由来β3受容体が構造解析に最適であることを見出し、過活動膀胱治療薬ミラベグロンが結合した構造を報告し、薬剤の選択性の分子基盤を明らかにできた。PTH1Rについては、PTH結合型とPTHrP結合型のPTH1Rの構造をCryo-EMで決定し、比較することで、リガンドとレセプターの相互作用の違いやリガンドの親和性や選択性の違いを明らかにした。 PTHとPTHrPの結合した5つの構造から、リガンドが受容体から解離するユニークで複雑な過程を理解し、PTHとPTHrPが引き起こすシグナル伝達の異なる持続時間を解明した。 また個々のGPCR構造解析だけではなく、周辺の要素技術の開発も進んでおり、これは当初の想定以上の成果である。まず、簡便なナノディスク再構成法が開発され、これによりオンカラムで迅速かつ高純度に膜タンパク質の精製が可能になった。また、オンカラム中で高効率にナノディスク化した膜タンパク質の精製プロトコルが確立され、これにより従来の方法よりも迅速かつ効率的な解析が可能になった
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究では、さまざまなGPCRを対象に、リガンドと受容体との相互作用やアゴニストの結合様式を解明し、それらがシグナル伝達や生理学的特性にどのように関与しているかを解明した。これらの業績を代表研究者濡木がラストオーサーとして、2022-2023年度にNature, Science誌を含む8報の論文としてまとめており、卓越した研究成果をあげているといえる。特にPTH1Rについては、PTHとPTHrPの結合した5つの構造から、リガンドが受容体から解離するユニークで複雑な過程を理解し、PTHとPTHrPが引き起こすシグナル伝達の異なる持続時間を解明し、これらの成果をmolecular cell誌に発表した。PTH1Rに結合するアゴニストとの複合体の構造機能解析に成功し、細胞内側に結合するバイアスアゴニストPCO371の作用機構を明らかにし、Natureに掲載された。これにより、特定のシグナル伝達経路を優先的に調節する方法が提案された。また、βアレスチンは7回膜貫通型受容体(7TMR)のシグナル伝達と制御に関与する多機能タンパク質であり、その相互作用は主にアゴニストによる受容体の活性化とリン酸化によって駆動される。我々はアレスチンの基底状態、細胞内第3ループを介したムスカリン受容体サブタイプ2(M2R)による活性化、あるいはアレスチンに偏ったデコイD6受容体(D6R)による活性型の7つの低温電子顕微鏡構造を決定しscience誌に報告した。生化学的、細胞学的、生物物理学的実験と組み合わせることで、アレスチンと7TMRの非典型的な結合様式を明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、標的GPCRのナノディスク環境での複合体の構造を網羅的に解析し、界面活性剤環境下との構造や構造多型の違いを解析する。特筆すべき点は、界面活性剤環境下で観察されたPTH1Rの構造多型がナノディスク環境でも観察されるかや、脂質受容体の場合内在性脂質アゴニストのセカンダリー結合サイトが存在するか、等である。ナノディスク環境出られたGPCR構造を元に分担者の井上飛鳥教授と共同で機能解析を行い、構造から得られた知見を実証する。さらに、ナノディスクを用いたβアレスチンとGPCRの複合体の構造解析を行い、薬剤によって受容体がGタンパク質を活性化するか、アレスチンを活性化するかというバイアスを理解し副作用の少ない創薬を目指す。アレスチンは脂質と相互作用するため、ナノディスクによる構造解析によって生理的な構造を得られる可能性が高い。まずリゾフォスファチジル酸受容体LPA1とβアレスチンとの複合体の構造解析を行う。脂質受容体ヘテロダイマーについては生理的な機能なども不明であり、共役するGタンパク質も分からない状況にあるため、まずはヘテロダイマーの精製産物を用いて共役するGタンパク質をin vitroで探索する。分担者の井上飛鳥と共同で、細胞アッセイによってLPA1とS1P1共発現による機能への影響も検証する。さらに、Gタンパク質との複合体の再構成系の構築に取り組み、最終的には精製産物を用いてクライオ電子顕微鏡による単粒子解析を実施し、ヘテロダイマーの構造情報取得を目指す。
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Assessment Rating |
Interim Assessment Comments (Rating)
A+: In light of the aim of introducing the research area into the research categories, more progress has been made in research than expected.
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