Project/Area Number |
21H05038
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (S)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Broad Section G
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
柊 卓志 京都大学, 医学研究科, 教授 (00512477)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
築山 智之 滋賀医科大学, 動物生命科学研究センター, 特任准教授 (60612132)
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Project Period (FY) |
2021-07-05 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥189,150,000 (Direct Cost: ¥145,500,000、Indirect Cost: ¥43,650,000)
Fiscal Year 2024: ¥33,800,000 (Direct Cost: ¥26,000,000、Indirect Cost: ¥7,800,000)
Fiscal Year 2023: ¥38,870,000 (Direct Cost: ¥29,900,000、Indirect Cost: ¥8,970,000)
Fiscal Year 2022: ¥39,520,000 (Direct Cost: ¥30,400,000、Indirect Cost: ¥9,120,000)
Fiscal Year 2021: ¥42,510,000 (Direct Cost: ¥32,700,000、Indirect Cost: ¥9,810,000)
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Keywords | 発生生物学 / 哺乳類初期発生 / 自己組織化 / ロバストネス / トポロジー / 種差 |
Outline of Research at the Start |
生命システムには細胞の形や組織の大きさ、細胞分裂や分化のタイミングなど、空間、時間の変数にゆらぎが存在する。一方、生命システムはこうしたゆらぎに頑強であり、全体として秩序立つように時空間的に制御、自己組織化されている。本研究では、このゆらぎとロバストネスの共存や、そこに見られる空間と時間情報の統合の原理を明らかにする。具体的には、哺乳類初期胚がゆらぎを乗り越えて、一定のタイミングで一定の姿かたちに発生する機構を解明する。また、哺乳類種間で保存された発生の原理と霊長類特有の機構を見出し、ヒト発生の理解を導く。
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Outline of Annual Research Achievements |
生命システムには、空間と時間の情報にゆらぎが存在する。一方で、生命システムはゆらぎに頑強であり、全体として自己組織化して機能を発揮する、ロバストネスを備えている。本研究では、哺乳類の初期胚をモデルに、ゆらぎとロバストネスの共存の原理と、ゆらぎの持つ役割を明らかにする。とりわけ、胚のパターン形成などの空間制御と、発生タイミングなどの時間制御との連関を明らかにし、空間と時間を統合する発生プログラムの同定を行なっている。 これまでに、マウス初期胚をライブイメージングし、独自の定量解析パイプラインを駆使し、4細胞期から64細胞期までの系譜図を作成した。これにより、細胞分裂のタイミングにばらつきがあり、分裂の回を追うごとに分散が線形に増大することを明らかにした。次に、8細胞期における空間情報を数学的に表現することに成功し、8細胞期の開始から終わりまでに、胚の細胞は最密なトポロジーへと収束することを見出した。さらに、このトポロジーの遷移は、細胞の自由表面における皮質張力と、それによる胚のコンパクションによって促進され、表面エネルギーの最小化理論によって説明ができた。また、トポロジーの収束は、後に続く16細胞期の内外パターン形成に重要であることがわかった。さらに驚くべきことに、細胞分裂のタイミングのズレが、最密構造への収束と内外パターンの正確性に寄与することを明らかにした。 同様の解析をウサギやサル胚でも行い、分裂タイミングのズレが哺乳類進化の過程で選択された特性である可能性を示唆する知見を得た。以上の通り、空間のロバストネス獲得に時間のゆらぎが必要であるという、生物学の常識を大きく変革する結果を得ている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
哺乳類初期胚のライブイメージングデータから、時間情報、空間情報を定量的に得るための画像解析パイプラインを確立したことが大きい。これにより、初期発生の大規模データ解析が可能となり、当初の想定以上の発展的な研究への利用が期待できる。また、トポロジー解析などの数学手法やエネルギー論的な物理学手法を駆使した本研究は、画期的な学際的アプローチを提示することとなり、今後の胚発生研究への応用も期待できる。また、世界で初めて、カニクイザル胚に核と細胞膜マーカーを発現させ、光シート顕微鏡を用いて4日間のライブイメージングに成功した。これにより、ヒトを含む霊長類の初期発生に関する未知の現象を観察しており、今後の研究の礎となる。これらの成果は当初の研究計画以上の進展であり、来年度以降も大きな成果が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究をさらに発展させ、16細胞期以降の胚発生におけるロバストネスとゆらぎに着手する。時間、空間のゆらぎに加えて、遺伝子発現のゆらぎと、それに伴う細胞分化も解析する。これまでの8細胞期を中心とした研究に比べて、空間変数の観点から、圧倒的に複雑な系に挑戦する。 また、胚を倍加や半分割したときの、細胞数、細胞の体積、胚の形態などの空間情報について定量的な解析を進めている。これらを元に、胚がサイズの逸脱という空間情報を感知して、発生の時間軸を修正する機構を解明する。 核と細胞膜のマーカーを発現するカニクイザル胚を用いたライブイメージングは、ヒトを含む霊長類発生の理解に大きく貢献することがわかってきた。一過的発現系ではライブイメージング中のシグナルの減衰により、32細胞期以降の発生の解析が難しいため、安定発現する遺伝子組換えサルの作出を進めている。研究分担者の築山グループと共に、この技術開発に取り組み、サル個体を得ることを目指す。
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Assessment Rating |
Interim Assessment Comments (Rating)
A: In light of the aim of introducing the research area into the research categories, the expected progress has been made in research.
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