Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は, 昨年度までの研究のアウトプットに努めた. 最も顕著な成果としては, ドーハ・イスラーム美術館の所蔵する〈燭台〉(所蔵番号MW. 152.1999)に関する研究が挙げられる. 本研究では, アラビア語・ペルシア語銘文と技法・装飾モチーフを分析し, 同時代のペルシア語史料の記述と照合した. そうすることで, この〈燭台〉が, 中世以降, 詩芸・工芸に習熟した工人が多く集まり, 十二イマーム・シーア派信徒がマジョリティを占める都市であったカーシャーン(イラン中部)において, 1600年頃に制作されたものであること, 当時オスマン朝支配下にあったバグダード(イラク中部)近郊に位置する十二イマーム・シーア第7代イマームの廟に, おそらくこの廟へのサファヴィー朝支配下のイランからの参詣者によって, 寄進されたものであることの2点を明らかにした. この成果については, Association for Iranian Studies主催の13th Biennale of Iranian Studies Conference, およびイラン研究の国際的な学術雑誌であるIran: Journal of the British Institute of Persian Studiesに査読付き論文の形で公表した. また, 前年にVictoria and Albert Museum主催のイスラーム陶器に関するシンポジウムにおいて発表した内容を, 佐々木達夫編『中近世陶磁器の考古学』第16巻(雄山閣, 2022)およびThe Routledge Companion to Global Renaissance Art(2023刊行見込)に寄稿した. このほか, 松戸市立美術館, 東京国立博物館, INAXライブミュージアムで開催されたイスラーム陶器に関する展覧会の監修を行なった.
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