Project/Area Number |
21J10197
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 38020:Applied microbiology-related
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
一瀬 涼 関西大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2022: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 乳酸菌 / 流加培養 / 好気 / グルコース抑制 / 呼吸 / 高密度培養 / 好気的 |
Outline of Research at the Start |
乳酸菌はプロバイオティクスとして注目されており、培養コストや食品への風味の影響を低減するために高密度培養の需要が高まっている。しかし、乳酸菌は「消費した糖の50%以上を乳酸に変換する」という定義のように、大量の乳酸を生産する。蓄積した乳酸は増殖を阻害するため、一般的な培養法では高密度培養は困難である。 乳酸菌が乳酸を生産するのは解糖系で消費したエネルギーを乳酸生産によって再生するためであるから、エネルギーを再生し、副生産物が無害な水である呼吸代謝に着目した。本研究は乳酸菌が秘める呼吸を利用した未知な代謝を解明し、乳酸を生産させることなく高密度培養することで乳酸菌の定義をも覆す可能性を秘めている。
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Outline of Annual Research Achievements |
乳酸菌のグルコース抑制が解除された好気代謝の解明を目的として研究を進めた。本年度はLactococcus lactis MG1363の好気的流加培養時の菌体を用いてRNA-Seq解析を実施した。 好気的な流加培養によりそれぞれ実測0.12、0.16、0.26 /h、また好気的な回分培養により最大の比増殖速度が0.80 /hとなった菌体の合計4検体を用いた。酸素を電子受容体としたNAD+再生系であるNADHオキシダーゼ(NOX)を本株は5種類(noxA、noxB、noxC、noxD、noxE)有しているが、具体的にどの酵素によって酸素が消費されていたのか不明であった。しかし、今回の結果から、noxEのTPM(発現量のレベルを示す指標)が全体的に比べてかなり高く、本株の酸素消費に関わる酵素の中で最も寄与を占めていると考えられる。興味深いことに、流加条件でTPMが上昇する傾向にあり、回分で702だったのが流加で最大1865となった。つまり、グルコース抑制が関わっている可能性がある。また、本株には酸素障害防御に関する酵素も多く存在し、これらの酵素も回分よりも流加の方がTPMが高い傾向にあった。特にTPMが高かったのがsodAであり、これはスーパーオキシドジスムターゼで、酸化障害の代表例であるスーパーオキシドアニオンを酸素と過酸化水素へ分解する。TPMは回分で5029だったのが、流加で最大12295にまで上昇していた。つまり、グルコース抑制が解除された状態では酸素の利用効率が上昇するが、それに伴って生じる酸化障害のリスクを酸化防御系の酵素の発現量も上昇させることで相殺していると考えられる。 本研究により、乳酸菌の好気代謝には比増殖速度が深く関わっていることが示された。今後は遺伝子破壊株を構築し、これらの遺伝子が好気代謝全体においてどのような役割を担っているのかを明らかにする。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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