Project/Area Number |
21J10275
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 01010:Philosophy and ethics-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
辰己 一輝 大阪大学, 人間科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2022: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2021: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | ジル・ドゥルーズ / 器官なき身体 / マイノリティ / 生成変化 / 障害学 / 身体障害 / 批判的障害学 / 新しい唯物論 / マイノリティへの生成変化 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、フランスの哲学者ジル・ドゥルーズのテクストの研究を通じて、社会において身体障害がどのような仕方で生きられうるのかについて哲学的な研究を行うものである。研究者は、ドゥルーズが病や障害を「健康ではない」という否定的な状態ではなく、それ自体肯定的なものとして描き出そうとしている点に着目し、各々の当事者が「健常者を模範としなければならない」という価値観にとらわれることなく自己の身体と向き合い、新たな生き方を模索できるような理論の構築を目指している。また、そのような研究の一環として、近年ドゥルーズ哲学の受容が進んでいる、海外の「障害学」と呼ばれる研究分野についてのサーベイも行っている。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ジル・ドゥルーズがそのニーチェ解釈などを通じて展開していた「健康」や「病」といった主題を、彼のテクストにおける中心概念である「差異」や「生成」との関係から検討することによって、身体障害の当事者が(医学的治療などを通じた)健常者への同一化によってではなく、自らの身体の差異をそのままに生きることを肯定する「身体障害の哲学」を、彼の哲学に見出すことができることを明らかにした。加えて、そうしたドゥルーズが1960年代のテクストにおいて問題化していた論点を、彼が1970年代以降フェリックス・ガタリとの共同作業を通じて練り上げていった政治哲学的テクストの中にも読み込むことで、健常者中心主義的な社会による障害者の抑圧が、人それぞれの身体において生きられているはずの差異や生成を抑圧する資本主義や国家装置によって再生産されている構造を明らかにすると同時に、その批判の先で二人が提唱する「マイノリティ」の哲学も、身体障害の哲学として再構成することができることを明らかにした。また、その研究課程において、昨今ドゥルーズも含めた現代フランス哲学から影響を受けている海外の「障害学」の理論的諸動向についてもサーベイを継続し、未だ国内でほとんど認知・研究がなされていないそれら諸動向の紹介作業に努めた。以上、それらの諸成果は雑誌や学会発表など複数の媒体で公表し、哲学・障害研究双方において貢献をなすことができた。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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