Project/Area Number |
21J10320
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 34010:Inorganic/coordination chemistry-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
杉野目 駿 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2021: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 多孔性結晶 / Metal-Organic Framework / 縮環ポルフィリン / 近赤外光応答性材料 |
Outline of Research at the Start |
本研究では「磁場で穴を開け閉めできる磁場応答性ポーラスナノグラフェン結晶」の開発に挑戦する。これまでに開発してきた、取り込む分子に応じてナノ細孔の形状・サイズを変化させるナノグラフェン結晶の特徴ー結晶でありながら、ナノグラフェン部位が回転自由度を有するーを活かし、ナノグラフェンを磁場応答性部位として用いることで、「いったん結晶化してしまえばナノグラフェンは磁場に応答しない」というこれまでの固体材料における常識を覆す。加えて、材料に触れることなく遠隔操作できるという磁場の強みを生かし、On-Demandで細孔機能のオン/オフが可能な単結晶材料としての応用を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では「磁場で穴を開け閉めできる磁場応答性ポーラスナノグラフェン結晶」の開発に挑戦した。以前発表した、「取り込む分子に応じて細孔の形状・サイズを変化させるナノグラフェン結晶」は、結晶でありながらナノグラフェン部位が回転自由度を有するという際立った特徴を持つ。そこで、異方的かつ大きな反磁性磁化率を有するナノグラフェンが結晶中にもかかわらず磁場に応答するのではないかと着想した。 本年度はポーラスナノグラフェン結晶の磁場応答性を磁場中での蛍光測定およびX線回折測定により詳細に検討した。まず、磁場のオン/オフ(9 T/0 T)に伴い、ナノグラフェンMOF結晶の示す蛍光スペクトルの形状が可逆的に変化することを確認した。このことは磁場による結晶構造変化の可能性を示唆する。次に、蛍光スペクトル変化が結晶構造変化に由来するものか確かめるため、磁場中での粉末X線回折測定を行った。しかしながら、測定した全ての条件で、磁場のオン/オフ(5 T/0 T)に伴う回折パターンの有意な変化は見られなかった。このことから、本研究で目指す磁場応答性ポーラスナノグラフェン結晶の開発は一旦断念せざるを得なくなった。 一方で、他の巨大π共役系分子を用いたポーラス結晶の開発にも取り組んでおり、その途中で極めて興味深い現象を見出した。非常に大きなπ共役系分子である縮環ポルフィリン二量体(FP)に着目し、FPからなる初のポーラス結晶の合成に成功した。本ポーラス結晶の物性を調べていたところ、近赤外光(1064 nm)の照射により溶媒中の結晶が直ちに収縮し(体積変化にして15%程度)、照射を停止すると元のサイズ・形状へと可逆的に回復することを発見した。FP部位は近赤外光の吸収を有し、励起状態から速やかに失活することが知られているため、近赤外光のエネルギーが熱へと変換され、溶媒の脱離が起こったのではないかと推測される。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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