Project/Area Number |
21J10554
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 03020:Japanese history-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉田 拓矢 北海道大学, 文学研究院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2022: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 日本古代史 / 日蝕 |
Outline of Research at the Start |
本研究は,日蝕に関する考察を通じて,日本古代における国家の時間支配の実態を解明することを目的としたものである。従来の研究では,日本が模倣したとされる中国での日蝕への対処や,古代の暦官が計算した日蝕予報についての分析が,十分ではない。そこで,本研究では,日蝕予報やその再現を利用しながら史料を分析することで,為政者や実務官人がどのように日蝕に対応していたかを考察し,その結果を総合して古代の時間支配の一端を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,日蝕予報やその再現を利用しながら史料を分析することで,為政者や技能官人がどのように日蝕に対処していたかを考察し,その結果を総合して,時間支配の一端を明らかにすることを目的としたものである。 2022年度は,日本古代における日蝕記録の一つ一つについて,当時の暦算の再現とも比較しつつ,分析を進めた。古代の日蝕予報(時刻と蝕分)は,中国暦法(元嘉暦・儀鳳暦・大衍暦・五紀暦・宣明暦)によって陰陽寮暦博士が算出したものであるため,日蝕予報を検証することで,当時の暦博士以下の技能水準を考察し得る。おもに検証した史料は,六国史や『扶桑略記』『本朝世紀』などの史書,および古記録である。以上の分析の結果,10世紀までは,暦博士が日蝕予報において計算方法を誤ることはあっても,意図して計算結果を曲げることはしていなかったこと,これに対して,賀茂氏が暦道を世襲化した11世紀以降は,過去の観測をもとに,日蝕予報の計算結果を積極的に補整していたこと,この補整は「思いがけず日蝕が現れるのを回避すること」に主眼があったため,むしろ的中率を低下させる要因となり,かつ,宿曜道や算道との争論において暦道がたびたび敗れる要因ともなったこと,それでも,計算方法への理解という観点では,依然として暦道に分があったこと,などの結論を導き出すことができた。日蝕の有無が政務や儀式,あるいは日常生活を左右していた当時において,一定の可能性がある場合は予報しておくべきとした技能官人の姿勢は,為政者をはじめとする日蝕予報の受け手の需要に適うものであったと評価し得る。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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