セバスティアン・カステリオンの思想とその教育的意義
Project/Area Number |
21J10778
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 09010:Education-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小山 誠南 北海道大学, 教育学院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2022: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2021: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | セバスティアン・カステリオン / 寛容 / フランス語 / 聖書 / 翻訳・訳語 / 語彙分析 / 教化・教導 / 教育 / 懐疑 / 良心 / 理性 / 完成可能性 |
Outline of Research at the Start |
本研究は異端への迫害が凄惨を極めた16世紀スイスで活動し、ジャン・カルヴァンの論敵として知られるキリスト教神学者セバスティアン・カステリオンの宗教思想と教育実践に着目して、その教育学的意義を関連史料に即して闡明するものである。現代にあって、教育の領域においても求められる寛容は17世紀以降の西洋啓蒙時代に市民社会の原理的基盤として据えられたが、それ以前には教義・教団を破壊する危険思想として理解されていた。この劇的変化の過程を解明すべく、16世紀宗教改革期の異端論争にあって先駆的な寛容論を展開したカステリオンを主題とし、未だ十分に検討されていない彼の思想と実践の教育史への位置付けを試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き、関連資料の目録化、閲覧等を行った。二次文献については希望通りの利用が概ねできている。問題となったのは一次史料で、前年度の見込みに反し、一部がEarly English Books Onlineに収録されていることが明らかとなった。だが同データベースの利用は報告者の環境的に厳しく、また国立国会図書館を介すると多くの時間と料金を要するため、研究へ即時的に反映させることは不可能であった。その他の稀覯書についても、バーゼル大学図書館やロッテルダム図書館での調査を企画していたが、新型コロナウイルス等の影響で断念した。 上述の制約の下、①カステリオン思想の全体像の把握、②カステリオン思想における「寛容」の意義の検討、③カステリオンが「寛容」を重視した意図の検討、④カステリオンの教育史への位置づけ、の観点から、彼による仏訳聖書を主題とする論文を当該年度中に公開した。生前、カステリオンはその類まれな語学力をもって聖書翻訳に取り組み、羅訳と仏訳を完成させている。前者が西欧各地で10回以上、対する後者は3回のみの再版であることから、先行研究における関心は主として前者に向けられてきた。しかし分析の結果、構成、文章表現、語彙に至るまで、この仏訳聖書には学識に乏しい平信徒を教化・教導するという意図が看取でき、教育的意義を持つことが明らかとなった。ここから前の①、④について検討することが可能である。さらに翻訳における語彙を詳細に分析したところ、カステリオンの代名詞ともいうべき「寛容」には12種の訳語があてられる一方で、今日よく用いられるtoleranceは一切登場しないことが判明した。寛容の思想史展開に鑑みると、これはカステリオンが16世紀の軛から完全に脱することができていないことの証左であり、前の全ての観点に重要な示唆を与えるとともに、従来のカステリオン像の再考すら迫るものといえる。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)