Project/Area Number |
21J10909
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 15020:Experimental studies related to particle-, nuclear-, cosmic ray and astro-physics
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
麻田 晴香 名古屋大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2022: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | トップクォーク / LHC-ATLAS実験 / 電弱真空の安定性 / ミュー粒子検出器 / トリガー |
Outline of Research at the Start |
2018年末までにATLAS実験で取得した積分ルミノシティ140 /fbのデータを使用し、μ粒子対に崩壊するJ/ψ中間子を含むトップクォーク事象を用いて、真空安定性の決定に重要なトップクォークの質量を測定する。これにより、従来の手法で支配的だったジェット再構成による系統誤差を抑えた相補的な結果を提示し、トップクォーク質量の統合結果の精度向上に貢献する。加えて、2022年から2024年の190 /fbのデータ取得と2027年からの高輝度LHCによる最大4000 /fbのデータ取得を実現するためのトリガー開発およびその運用と、これらの取得データを用いた際の質量測定の見積もりを行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、本測定に係る系統誤差のうち検出器応答由来の系統誤差の見積もりと、前年度に指摘した信号事象モデリング由来の系統誤差評価における課題に取り組んだ。 本測定では、終状態に存在する3個のレプトンの不変質量分布の形がトップクォーク質量と相関を持つことを利用する。この時、ジェットについては、トップ事象の選別にジェットの本数を使うのみなので、従来の測定で支配的だったジェット再構成由来の系統誤差は抑制される。結果として、ジェット再構成由来の系統誤差は200 MeV以下と期待通り抑制できていることを示した。 また、信号事象モデリング由来の系統誤差の評価については、測定に最も影響する終状態放射モデリング由来の系統誤差の再評価を行った。終状態放射モデリング由来の系統誤差は強い相互作用のモデリングを変化させたサンプルを使用して見積もる。しかし、この変化はボトムクォーク破砕化モデリングには反映されないため、モデリングの変化に重複が起こり、過大評価が生じていた。そこで、ボトムクォーク破砕化モデリングが相対的に変化しないよう調整したサンプルを使用し誤差を評価することで過大評価を抑えた。その結果、この調整をしない時と比較して、終状態放射モデリング由来の系統誤差の評価値を数百MeV削減することに成功した。 以上より、構築した手法をLHC第二運転期間中にATLAS実験が取得した全データを使用することにより、本測定は従来の測定とは異なる系統誤差要因を持つトップクォーク質量測定を実現できることを明らかにした。この成果は、日本物理学会2023年春季大会にて報告した。 加えて、前年度に引き続きLHC-ATLAS実験の現場であるジュネーヴのCERNに滞在し、ミュー粒子トリガーの安定した運転に貢献した。これは、今後ATLAS実験が取得するデータを加えることで更なる測定精度の向上が見込まれる本測定の将来の発展に役立つ。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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