Project/Area Number |
21J10942
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 34010:Inorganic/coordination chemistry-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤本 智広 大阪大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Project Status |
Declined (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2022: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 金属酸化物 / 四酸化オスミウム / 配位性アニオン / 酸化反応 |
Outline of Research at the Start |
オスミウム錯体を用いたアルカンの酸化反応系の構築を行う。四酸化オスミウムは塩基性水溶液条件下でのみアルカンの酸化能を有しており、水酸化物イオンのオスミウム中心への配位が反応活性向上の要因だと考えられている。しかし、アニオン配位が反応性に与える効果はまったく明らかになっておらず、その後の分子性触媒系への展開も依然行われていない。本研究では、様々な配位性アニオンを用いてオスミウム-アニオン付加体を合成し、それぞれの反応性を系統的に検討することで反応性を制御する因子の解明を目指す。さらに、配位性アニオンを用いた研究で得られた知見を生かし、有機配位子や固体担体と組み合わせた分子性触媒系への展開を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
四酸化オスミウム(OsO4)と配位性アニオンを作用させ、構造などがどのように変化するかを調べ、その変化がOsO4の酸化活性に及ぼす効果について検討した。 まず、OsO4と種々のハロゲン化物イオン(X-)との反応により生成したアニオン付加体([OsO4(X)]-)の構造を、単結晶X線構造解析により決定すると、用いたアニオンの塩基性度が大きくなるにつれて、OsO4の正四面体構造から三方両錐構造へと徐々に歪んでいくことが明らかとなった。さらに、フッ化物イオン付加体は、ベンジルアルコールの酸化においてOsO4よりも高い収率で、ベンズアルデヒドを生成物した。この反応性向上の要因について、速度論的検討およびDFT計算を用いた考察を行うと、アニオン付加体にアルコールが配位した6配位の中間体を形成することが重要であると示唆された。 さらに、カルボン酸アニオンを用いて生成した付加体は、より高難度なC-H結合の活性化に対しても高い酸化活性を示し、速度論的検討およびDFT計算による検討の結果、C-H結合の均等開裂後に、アニオン付加体と基質ラジカルが付加体を形成する過程が酸化において重要であると示された。 最後に、OsO4を触媒として用いたアルカンの酸化反応について検討し、配位性アニオンの添加効果についても調べた。過酸化水素を酸化剤として用いることで対応するアルコールが生成物として得られ、本触媒反応系に安息香酸アニオンを加えるとOsO4のみを用いた場合に比べ反応速度が14倍も向上し、アニオン配位による酸化活性向上が触媒反応にも適用できることが明らかとなった。この知見から、細孔表面にカルボキシ基を有するメソポーラスシリカにOsO4を担持した固体触媒を合成し、触媒反応に用いると、この触媒もOsO4より高い酸化活性を示し、触媒の再利用などを含めた、不均一触媒系におけるさらなる展開が期待できる結果が得られた。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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