可視光応答性と強誘電性をもつ酸窒化物単結晶自立膜の開発と光触媒応用
Project/Area Number |
21J11596
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 36010:Inorganic compounds and inorganic materials chemistry-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
若杉 択人 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Project Status |
Declined (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2022: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 酸窒化物 / エピタキシャル薄膜 / 水分解光電極 / 自立膜 / 強誘電体 / 光励起キャリア輸送 / ペロブスカイト / 層状ペロブスカイト |
Outline of Research at the Start |
次世代のエネルギーキャリアである水素のクリーンな製造方法として、太陽光をエネルギー源とした半導体光触媒・光電極による水分解がある。可視光応性を持つ酸窒化物半導体は水分解のための光触媒・光電極として有望であるが、現時点でエネルギー変換効率は低い。本研究では、半導体光電極による水分解水素生成のエネルギー変換効率の向上および応用を目的とし、光励起キャリアの輸送効率向上に有用である強誘電性をもち、かつ可視光応答性をあわせもつ酸窒化物単結晶自立膜を開発する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、層状ペロブスカイト型酸窒化物Ca3M2O5N2 (M = Ta, Nb)に着目した。なぜなら、(1)窒素の2p軌道が価電子帯の上端に形成されることで可視光応答性を持つ、(2)層状ペロブスカイトのM(O,N)6八面体の幾何学的な協奏的回転によって、強誘電性が安定する、(3)岩塩層(CaO)が自立膜作製のための剥離面として機能すると期待されるからである。本年度は、Ca3M2O5N2単結晶薄膜の単結晶基板上への作製を、窒素プラズマ支援パルスレーザー堆積法を用いて試みた。成膜プロセス中に薄膜表面からの反射電子回折(RHEED)の振動を監視することで、目的物の岩塩層とペロブスカイト層の膜厚を制御し、交互堆積を試みた。しかし、作製した薄膜からは目的物である層状構造由来のX線回折ピークは見られず、CaTaO2N等の単純なペロブスカイト構造由来の回折ピークのみが観測された。これより、単純なペロブスカイト構造がより安定相であるため、今回の実験条件では層状Ca3M2O5N2薄膜の作製は困難であることが判明した。 一方、申請者は上記の研究と並行して、ペロブスカイト型酸窒化物CaTaO2Nの単結晶薄膜を光電極として用いて、エネルギー変換効率の向上に重要な要素である、光励起キャリアの輸送効率に影響を与える因子の調査を行った。薄膜の作製には、反応性R Fマグネトロンスパッタ法を用い、光励起キャリア輸送の評価は、正孔犠牲剤存在下での光電極測定による光電流値を指標とした。本研究により、ペロブスカイト型酸窒化物CaTaO2N単結晶薄膜において、高結晶性と化学量論組成は高キャリア輸送効率のための良い指標ではなく、Ca過剰であることがより重要であることが明らかになった。以上の単結晶薄膜をモデルとして用いて得られた知見は、ペロブスカイト型酸窒化物光触媒の効率向上のよりよい指針となりうる。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)