ハイエントロピー触媒物質を用いる貴金属代替に関する研究
Project/Area Number |
21J11616
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 27030:Catalyst and resource chemical process-related
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
平川 大希 熊本大学, 自然科学教育部, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Project Status |
Declined (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2022: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 多成分系スピネル酸化物触媒 / 多成分系金属触媒 / 三元触媒 / 貴金属代替 |
Outline of Research at the Start |
排気ガスに含まれているHC、COおよびNOxの浄化触媒作用は貴金属固有の電子構造に依存する。このため汎用元素による貴金属代替には多数元素の協奏的な機能発現が鍵になる。そこで本研究では、5成分以上の汎用金属元素を含むハイエントロピー物質に着目し、多成分系スピネル酸化物およびそれを前駆体とした多成分系合金に基づく触媒を新たに設計・合成し、真に実用的価値をもつ貴金属代替を目指す。モデル系を活用し、X線吸収微細構造(XAFS)、赤外反射分光(FTIR)、X線光電子分光(XPS)、X線回折(XRD)等を組み合わせたオペランド分析法を駆使した研究を展開することで構造および反応機構の解明を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
汎用金属のみで貴金属と同等の触媒性能を発現するには,複数の元素の機能を協奏的かつ相補的に発現させる必要がある.特に,Cuを含む酸化物触媒および合金触媒は候補物質として数多くの研究例があり,CuがNO還元活性発現において重要な元素である.今年度の研究ではCuを含む多成分系から構成される酸化物および金属に着目して,貴金属代替触媒の材料設計に取り組んだ. 新規スピネル型固溶体Cu0.05Ni0.95Al1.8Cr0.2O4(900 °C, 25 h熱処理)は水蒸気が共存する三元触媒反応でNO還元活性を発現し,Pt/Al2O3よりも高いCO/C3H6酸化活性を示した.少量含まれるCuはNO還元に必須の成分で,NiとAlの組み合わせは比表面積増加に有効で,表面に露出した配位不飽和Cu種の割合を高める.Crは水性ガスシフト反応活性を向上させ,その結果生成するH2は水蒸気存在下でのNO還元に寄与する.また,NiとCrの組み合わせで高いC3H6酸化活性を示すことが明らかになった.赤外分光(FTIR)と同位体NOパルス反応より,表面上でCO/C3H6酸化が先行して進行するにつれて生成するCu周辺の酸素欠陥が吸着NOから酸素を引き抜くことを実証した. また、Fe,NiおよびCuを含む金属触媒はさらに高いNO還元活性と安定性を示した.FeNiCuの表面は,反応雰囲気下での昇温中に直ちに酸化されるが,Cuの大部分は600 °CでNiCu合金として金属状態を再生し,高いNO還元活性を維持した.一方,Feの大部分は完全に酸化され,Fe-Ni酸化物相を形成した.FTIRと同位体NOパルス反応を行い,NO還元機構の解明を試みた結果,Fe-Ni酸化物の共存によってAl2O3表面へのC3H6の部分酸化吸着が促進され,NiCu合金上に吸着したNOと部分酸化吸着種との反応が金属-担体界面近傍で進行すると推定した.
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Report
(1 results)
Research Products
(9 results)