アレルギー性疾患の治療応用を目指した、PGD2/CRTH2シグナルの機能解明
Project/Area Number |
21J11720
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 42030:Animal life science-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木田 美聖 東京大学, 農学生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2022: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | アレルギー / IgE / 脂質メディエーター |
Outline of Research at the Start |
食物や花粉などの抗原に対して過剰反応を起こす食物アレルギーや花粉症患者の数が急増している。これらのアレルギー性疾患は生活の質を低下させるだけでなく、最悪の場合ショックを起こして人を死に至らしめる。現在使われているアレルギー性疾患の治療方法は、症状を抑えるための対症療法しかなく、根本的にアレルギーにならないようにするための方法がまだない。アレルギー発症に必要なIgE抗体の産生を制御することが根本的な治療を目指すのに重要であると考えられているが、IgE抗体の産生メカニズムには不明な点が多くある。IgE抗体の産生メカニズムの一部を解明することで、アレルギー性疾患の根本的な治療法に繋がる可能性がある。
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Outline of Annual Research Achievements |
私はアレルギー反応におけるPGD2/CRTH2シグナルの機能解明を目的に研究を行っている。まず、アレルギー反応の成立に必須な抗原特異的IgE抗体の産生量について野生型マウス(WT)とCRTH2受容体を欠損したマウス(Crth2-/-)を用いて測定を行った。抗原として卵白アルブミン(OVA)を用い、皮内投与によって各系統のマウスに感作を行った後、血清中に含まれるOVA特異的IgE値を測定した。その結果、WTに比べてCrth2-/-でOVA特異的IgE値が低いことが分かった。また、感作後にOVAを経口投与することで食物アレルギー症状を惹起したところ、WTに比べてCrth2-/-でアレルギー反応が低減されることが分かった。次に、PGD2の産生源として抗原の獲得に重要な樹状細胞に着目したところ、OVAの処置によって樹状細胞からPGD2が産生されることが確認できた。さらに、炎症を惹起するアジュバントとOVAを同時に皮内投与することで、皮膚中のPGD2産生が増加することも分かった。また、CRTH2シグナルがOVA特異的IgE産生を促進するメカニズムとして、所属リンパ節内の免疫細胞の割合に着目した。IgE産生への関与が報告される免疫細胞の割合をフローサイトメトリーによって解析した。その結果、WTに比べてCrth2-/-では活性化した樹状細胞の割合が減少傾向にあった。これらのことから、OVAの皮内投与によって抗原を獲得した樹状細胞が皮膚局所でPGD2を産生しており、CRTH2シグナルを介して活性化した樹状細胞がリンパ節内での抗体産生反応を促進することで、アレルギー反応を増強させている可能性が明らかになった。また、食物アレルギーの予防的治療を目指して、マウスの皮内にCRTH2受容体の阻害剤を投与したところOVA特異的なIgE産生とその後の食物アレルギー反応を抑制することができた。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)