極低温までの光吸収・解離分光で解明する銀クラスターの集団励起発現過程
Project/Area Number |
21J12060
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 28010:Nanometer-scale chemistry-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
河野 聖 九州大学, 理学府, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2022: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 金属クラスター / 銀 / 光解離分光 / 光解離スペクトル / 電子励起 / キャビティリングダウン分光 / 光吸収スペクトル |
Outline of Research at the Start |
金属ナノ粒子は光吸収に伴う電子の集団振動を示す。その電場増強作用から様々な分野へ応用が期待されるが、この現象が発現する決定的なサイズの解明が、ナノテクノロジーの更なる微細化の観点から重要視される。本研究では数~数十個の原子からなるサブナノスケールの金属粒子「クラスター」を構成原子数を厳密に制御して合成し、常温から極低温までの光吸収・解離分光を行い、構成原子数の変化に伴う電子励起の発現の探究にアプローチする。
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Outline of Annual Research Achievements |
当初の予定では、本年度は、従来の室温実験に加えて低温における銀クラスター正イオンの光解離分光およびキャビティリングダウン分光を行うこととしていたが、先ずこれまでに取得した実験結果に対して理論的な考察を深めることが重要と考え、むしろ理論計算に集中して研究を行った。具体的には、昨年度までの銀クラスター正イオンの光解離分光実験の結果、銀クラスター正イオンではおよそ20量体付近での集団電子励起の発現が明らかになっていた一方、遷移に関与する素励起の数を表す集団性指標を理論計算に基づいて評価した結果、サイズとともに単調に増加していくという、実験とは異なった様相を示すことが明らかになっていた。この実験と理論との不一致の原因として、理論計算ではd電子をあらわに考慮しており、振動子強度に寄与しないd電子の遷移が集団性の過大評価に繋がっている可能性があった。この問題を解決するために、本年度はd電子の寄与を打ち消す新たな状態を計算し、これに対して集団性指標を評価するプログラムを開発した。現在はプログラム開発が一段落したところで、これから銀クラスター正イオンの集団電子励起における集団性の解析に着手する予定である。 また、2量体の理論計算では、3.7 eV付近に光解離分光実験では観測されない吸収が存在することが分かっていたが、詳細な計算の結果、この励起状態は解離性のポテンシャルになく、このため実験的には観測されなかったことが分かった。 現在は更なる実験結果/理論計算の解析と論文の作成を進めている。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)