用法基盤モデルに基づくインドネシア語の多機能性を有する接辞の研究
Project/Area Number |
21J12422
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 02060:Linguistics-related
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
佐近 優太 東京外国語大学, 総合国際学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2022: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2021: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | インドネシア語 / 接辞 / コーパス / 用法基盤モデル / 受動態 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、インドネシア語の受動態標識の一つとされる接頭辞ter-について、特に動作主標示・語基への接続可否に焦点を当て、考察を行うことを目的とする。具体的にはコーパス及びコンサルタント調査により接頭辞ter-の記述を行うとともに、似た機能をもつ接辞との対照を踏まえつつ、統計的手法を用いた量的調査や文産出実験を行う。これにより接頭辞ter-の使用には、先行研究が示すような機能についての一般化された知識だけでなく、語基の種類やコロケーションとの関係といった子細な知識が必要であることを示す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、用法基盤モデルに基づいてインドネシア語の受身標識の一つである接頭辞ter-について考察を行った。当該年度には、このテーマに関して1件の国際会議での口頭発表、2件の国内会議での口頭発表、2件の学術論文の発表を行った。 第一に、前年度に行った受身文における動作主の標示形式の選択要因の研究を継続した。階層ベイズモデルを用いて回帰分析を行うことで、前年度の研究で主張した動詞の意味や動作主の性質に加えて、共起する名詞の偏りなど動詞固有の特徴が選択に影響を与えることを明らかにした。これにより一般的傾向から逸脱していた例文に対し、その理由付けを行うことが可能になった。さらにこの研究は、現在言語学において盛んに用いられている回帰分析において、個々の動詞の差異を分析するためにそれらをランダム効果として考慮したことを特徴とする。このように一般的傾向に加えてランダム効果として考慮した個々の動詞を同時に分析することは、具体的知識と抽象的なルールの共存を認める用法基盤モデルの考え方と合致しており、今後重要性が増すと考えられる。 第二に、接頭辞ter-と類似した意味を持つ接辞ke-anとの比較を行った。特に知覚動詞に接続して「~に見える」という意味を表す場合に注目し、ある言語形式は周囲のあらゆる情報によって決まるという考え方に基づいたBehavioral Profileという手法により調査を行った。結果として基本的に接頭辞ter-の使用が卓越するが、動作の対象が具体物の場合に限り接辞ke-anの使用が増加することを明らかにした。そしてこのことは通言語的な受身文標識の意味ネットワークから説明可能であることを主張した。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)