Project/Area Number |
21J12431
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 01050:Aesthetics and art studies-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 実香子 (2021) 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Research Fellow |
鈴木 実香子 (2022) 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 写真史 / 19世紀 / 芸術写真 / ギュスターヴ・ル・グレ / 写真論 / 初期写真 / 19世紀フランス / 19世紀イギリス |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、初期写真家像および初期写真の芸術性をめぐる諸言説が、写真家の制作活動に加え、写真の国際的な流通と受容の過程でいかに歴史的に形成されたかを明らかにすることで、19世紀フランス・イギリスを中心とする初期写真史を再構築することである。具体的には、写真が芸術の一領域として認められていなかった19世紀において、芸術としての写真制作を試みた写真家たちが、どのように独自の写真制作や先駆的な写真事業を展開し、それらの仕事を同時代の写真界や美術界、そして当時の社会に発信したかという、初期芸術写真制作のマネジメントの様相を、特に写真の展示・流通・アーカイブの3つの視点から解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、海外大学院での留学開始に伴い、2022年9月11日付で特別研究員を中途辞退することにとなったものの、研究実施状況は大きく以下の2点に集約することができる。 まず、ギュスターヴ・ル・グレの写真制作にかんし、フランス写真協会にて、彼が出版した全ての写真概論の原本の閲覧を行った。フランス写真協会は、ル・グレが出版した概論の全版の原本を所有している唯一の研究機関である。現地で全ての文献の基本情報を確定し、各版の異同を比較することで、写真家の技術的・美学的関心の変遷を実証的に分析することができた。その調査結果は、日仏美術学会会報に投稿した査読付き論文の一部として発表済みである。 また、新たな資料群の探索としては、昨年度から継続して、2022年6月上旬まで、フランスでの資料調査を行った。調査にあたっては、パリ第1大学パンテオン=ソルボンヌ校芸術文化史・社会史研究所(HiCSA)のミシェル・ポワヴェール教授の助言を仰いだ。その結果、フランス国立公文書館で、ル・グレら19世紀中期のパリで活躍した写真家にかんする公正証書の調査、またフランス国立図書館にて、「写真組合」Chambre syndicale de la photographieの最初の機関紙Journal de l’industrie photographiqueの収集・分析を開始した。特に後者の調査から、19世紀中期以降の写真制作の職業化にあたり、これまで写真史で、主な職業カテゴリとして措定されてきた「写真家」のみならず、写真制作とその流通・受容を支える様々なアクターがこの組織に結集し、写真制度の形成に重要な役割を果たした可能性が浮かび上がってきた。今後も以上の資料の調査・分析を継続することで、19世紀フランスの初期写真制作とその流通・受容の全体像を明らかにしていく。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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