Project/Area Number |
21J13028
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 33010:Structural organic chemistry and physical organic chemistry-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
糠澤 拓実 東北大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | π電子系 / ケイ素 / π結合 / 単結合 / 共役 / 拡張 / 求核反応 |
Outline of Research at the Start |
π結合は物質を構成する分子の構造と物質機能の発現に大きく関わる化学結合の一つである。これまでにπ結合を利用した様々な機能性材料が作られてきたが、ごく最近、従来とは異なる新しいπ結合の存在が明らかになった。本研究では、この新たに発見されたπ結合を含む多種多様な化合物を合成し、この新たなπ結合の性質および物質機能への影響について調査する。そして、ここでの実験結果をもとにこの新たなπ結合の本質を解明し、このπ結合を利用した新規機能性材料の開発に繋げることを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
σ結合を伴わずπ結合のみからなる単結合(π型単結合)を持つ1,3-ジクロロビシクロ[1.1.0]テトラシラン1の求核置換反応により、含π単結合π共役分子の合成を行った。化合物1に対して低温条件下でリチウムアセチリドを作用させることで、橋頭位ケイ素上に対応するエチニル基を持つビシクロ化合物が中程度の収率で得られた。今回の結果は、π単結合化学種の直接的なπ拡張に成功した初めての例である。 合成した化合物は、X線結晶構造解析および理論計算から橋頭位ケイ素間にπ単結合を持つことが示された。また、これらの化合物の固体状態における吸収極大波長は、π型単結合を持つ1,3-ジヨードビシクロ[1.1.0]テトラシランよりも大きく長波長シフトしており、このことからπ単結合とエチニル基の間にπ共役が存在していることが明らかになった。一方、今回合成した含π単結合π共役分子は固体状態と溶液中で色が変化することが明らかになった。各種分光学的測定および理論計算の結果から、これらの化合物は固体状態では平面構造であるのに対し、溶液中では平面構造とシスベント構造の平衡状態として存在していることを突き止めた。この結果はπ単結合が高い柔軟性を持つことを示しており、このことからπ単結合を含む骨格は狭いHOMO-LUMO準位差と高い感受性を持つ共役ユニットとして利用できることが示唆された。 また、含π単結合π共役分子の新たな合成法を模索する中で、1の前駆体である二環式化合物(テトラシラビシクロ[1.1.0]ブト-1(3)-エン)と水素化アルミニウムリチウム(LiAlH4)の反応より、開環を伴ってシクロプロペニドのケイ素類縁体(シクロトリシレニド)が生成することを見出した。これまでにシクロトリシレニドの合成は報告されておらず、今回が初めての例であった。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)