Project/Area Number |
21J13157
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 46030:Function of nervous system-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中野 利沙子 東京大学, 薬学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2022: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 嗅覚回路 / 神経活動 / シグナル伝達 / 軸索選別分子 / 神経回路形成 / 高速ノックダウン / 嗅覚神経回路 |
Outline of Research at the Start |
マウス一次嗅覚回路は、遺伝的プログラムによる大まかな軸索の位置決めの過程を経た後、嗅細胞で生じる神経活動によって精緻化されることで完成する。この精緻化の過程において、嗅細胞では発現する嗅覚受容体の種類に応じて、時間的なパターンの異なる自発的な神経活動が生じ、それが細胞内のシグナル伝達系に読み取られることで異なる遺伝子発現が誘導される。しかしながら、嗅細胞が神経活動パターンという時間情報をいかにして解読し、遺伝子発現へと変換しているかについて、その分子メカニズムは明らかでない。本研究ではこれを解明することを試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はマウス一次嗅覚系の神経回路形成において、神経活動が遺伝子発現を制御する仕組みを解明することである。マウスの嗅神経細胞(嗅細胞)は、多数存在する嗅覚受容体遺伝子の中から1種類のみを選んで発現し、同種の嗅覚受容体を発現した嗅細胞は、嗅球の特定の領域に軸索を収斂させる。この嗅覚受容体の種類を反映した嗅覚回路は、発達期の嗅細胞に生じる自発的な神経活動と、それによって発現を制御される軸索選別分子群によって精確に形成される。このとき、細胞の電気的な活動である神経活動が、細胞内のシグナル伝達によって、遺伝子発現という分子情報に変換されていると考えられるが、その変換機構については全く明らかになっていなかった。過去の報告から、神経活動依存的に生じるカルシウムイオンの濃度変化が遺伝子発現に影響を与えることが分かっていたため、カルシウム依存性のシグナル伝達分子に着目し、それらの遺伝子のノックアウトや急性ノックダウンによる軸索選別分子群の発現変動を調べた。しかしながら、嗅細胞のバルク解析の結果、顕著な影響は観察されなかった。この結果からは、個々の嗅細胞で生じた影響が、バルク解析によって相殺されている可能性が排除できなかったため、次に、嗅細胞の細胞種を限定した解析を試みた。 嗅細胞の細胞種は、発現する嗅覚受容体の種類によってラベルされる。そこで、嗅覚受容体遺伝子の下流にCreを挿入したマウスを新規に6ライン作成し、細胞種ごとの解析を可能にすることで、今回着目した細胞種の神経活動パターンと軸索選別分子群の発現パターンを同定した。神経活動を記録するために、世界で初めて嗅細胞のin vivo二光子カルシウムイメージング系を立ち上げ、細胞種ごとの神経活動パターンと軸索選別分子群の発現プロファイルを紐付けることを可能とした。今後シグナル伝達の阻害を行い、細胞種ごとの遺伝子プロファイルを解析する。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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