Project/Area Number |
21J13173
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 17010:Space and planetary sciences-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
安藤 慧 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2022: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | スポラディックE層 / 電離圏 / 大気潮汐波 / シミュレーション / 中性大気 |
Outline of Research at the Start |
金属イオン層(Metal Ion Layer; MIL)は電離圏に生じる高密度のプラズマ層構造であり、防災無線や航空航法で利用される周波数帯の電波の異常伝搬を引き起こす原因として知られている。MILは1900年前半から観測されている現象であるにも関わらず、その3次元構造の発生機構、構造の3次元的な変動について統一的な説明が存在しない。本研究では、これらの物理機構の解明を目的とし、申請者が独自に開発した領域電離圏3次元数値モデルと全球大気モデルGAIAの中性大気情報とを組み合わせることにより、MILの3次元構造の再現とその形態と動態の解析を試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
新たに開発した金属イオンの物理過程、化学課程を組み込んだ3次元電離圏数値モデルにより、以下の3点を明らかにした。 (1)電離圏金属イオン層の水平移動は高度により駆動メカニズムが異なることを明らかにした。中性大気との衝突に対して電磁気的効果が無視できなる高度(約110 km)以上では、金属イオン層は鉛直圧縮の強い領域とともに水平移動を示していた。一方、高度約110 km以下では鉛直圧縮に対して水平輸送の効果が無視できなくなり、金属イオン層は風とともに水平移動を示していた。南北方向には、金属イオン層は潮汐波の南北成分により輸送をされていた。東西方向には、金属イオン層は西向きに伝播する傾向があった。 (2)電離圏金属イオン層に対する電場の影響を明らかにした。まず、電場は背景の金属イオンを昼間に電離圏E領域から電離圏F領域下部へ輸送していた。この金属イオンの供給により、高高度での金属イオン層の密度が上昇していた。また、夕方付近の下向き電場が駆動するイオンの下降運動により、下降する金属イオン層の密度の上昇や発生の促進が生じていた。 (3)冬場の金属イオン層の数10日間にわたる密度上昇の物理機構を明らかにした。従来は冬場の鉛直方向の風のシアは弱いと考えられてきたが、本研究は冬場でも鉛直方向の風のシアが特に夕方付近に強まることがあり、それにより金属イオン層の密度上昇が起きていることを見出した。この鉛直方向の風のシアの強まりには特に半日潮汐波が関与していた。半日潮汐波の増幅の物理機構には、惑星波による潮汐波の変調と成層圏突然昇温による東西平均東西風の南北半球間の非対称性が寄与していることを提唱した。 これらの結果は論文としてまとめ、現在は2本の論文が査読中である。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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